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白菜の“黒い斑点”は食べてもOK? その正体と栄養価 見分け方とおいしい食べ方も

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

鍋は適した食べ方? 水溶性の栄養価がたっぷり

豚肉と白菜のミルフィーユ鍋(写真はイメージ)【写真:写真AC】
豚肉と白菜のミルフィーユ鍋(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 白菜の栄養価を日本食品成分表2020年版(八訂)で見ていきましょう。

 100グラムあたり水分が95.2グラムと多く、エネルギー量は13キロカロリーと低め。ビタミンCが多いのも特徴で、風邪や免疫力が気になる冬の時期には食べておきたい野菜です。食物繊維は1.3グラムで、うち不溶性食物繊維が1グラム。整腸作用が期待できます。カリウムも220ミリグラムと豊富なため、むくみや高血圧の予防に一役買ってくれるでしょう。

 白菜といえば、鍋。火を通すことでかさが減るので、たくさん食べられるところが良いですね。また水溶性食物繊維や水溶性ビタミン(CやB群)を余すところなくいただけます。

 近年人気の豚肉を白菜に挟んだミルフィーユ鍋は、栄養価でみても補足効果が期待できる相性の良い組み合わせです。豚肉に多く含まれるタンパク質、脂質、ビタミンB1と、白菜に含まれるビタミンC、食物繊維が互いに補ってバランスの良い鍋といえるでしょう。

新鮮なものの見分け方や保存方法

芯から使うと旨味が抜けにくい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
芯から使うと旨味が抜けにくい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新鮮なものの見分け方は次の通りです。カットしてあるものは断面を見ましょう。

 1. 葉:しっかり巻いていて、詰まっているもの
 2. 色:葉の色は緑色が濃く、白い部分はハリがある
 3. 断面:変色がなくみずみずしい、芯が盛り上がっていない

 白菜は外葉から中心の芯に栄養を送る性質があります。つまり、カットされたものでも芯が残っていると葉が栄養を送ろうとするので、食べ切る前にしおれてしまい、旨味が抜けてしまうことも。芯の部分から使うと葉に栄養や旨味が残り、最後までおいしくいただけます。

 保存する場合は、丸ごとかカットしたものかでコツが変わります。

 ○丸ごと1個を保存する場合:新聞紙などに包み、冷暗所に立てておきます。外葉は捨てずにかぶせたまま保存を。
 ○半分や4分の1などカットしてあるものを保存する場合:芯の切り込みに濡らしたキッチンペーパーを当てて保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。傷みやすいので早めに使い切りましょう。
 ○鍋料理などで残ったものを保存する場合:冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫へ。鍋やスープなどに凍ったまま使えるので便利です。

 白菜の味は淡泊なので、他の材料と調和しやすいのも特徴です。冬においしい白菜をたっぷりいただきたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾