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どうぶつ

大病乗り越えた28歳のねこ 自力で今できることとは 「命の尊さ考えた」と感動広がる

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

マイペースな性格は歳を重ねていく中で変化

低下した視力を補うため、頻繁に声をかけているという【写真提供:せあら(@burupura)さん】
低下した視力を補うため、頻繁に声をかけているという【写真提供:せあら(@burupura)さん】

 子ねこから成猫期のとまとくんは、本気噛みをしてくるようなマイペースな子だったそう。

「触る時は気を付けながらでしたが、年を重ねた今では顔つきも優しく温和になり、いつでも触れるようになりました」

 現在、同居している15歳の元捨てねこ「りゅう」くんを始め、他のねこたちと距離があった時期も。しかし、今から5年前に6歳の「めい」ちゃんと5歳の「きなこ」ちゃんを迎えたのを機に、他のねこと一緒に寝たり、寄り添ったりするようになったそう。

 こうして穏やかな日々を過ごしているとまとくんですが、20歳を過ぎた頃に便秘をしたことがきっかけで、さまざまな病気や怪我と闘うことになりました。21歳の時には、命の危機に直面したこともあったといいます。

 当時、飼い主さん宅にいた7匹のねこたちが次々と風邪をひき、とまとくんも罹患。1日おきに点滴を必要とするほど体力が低下したことがありました。

「あの時は食べることができなかったので、先生から『危ないかも……』と言われました。通院が続いていたある日、私は病院嫌いのとまとに『病院に来たくないよね、点滴も嫌だよね……。ごはんを食べないとまた来ることになるよ?』って声をかけたんです。するとその日、点滴をして帰ったらとまとが『ごはんちょうだい』と意思表示をしてくれたんです。ごはんを食べるとまとを見て、『ああ。人間の言葉を理解してるんだ』と思いました」

 どうにか食欲を取り戻し、回復したとまとくんでしたが、風邪で足元がふらついていた時に左目をぶつけたことが原因で、眼球に穴が開く怪我を負ってしまったそう。

「現在、目は開いていますが、視力はないと思います。またこの風邪の後、重度の膀胱炎にもなりましたが、それも薬で乗り切りました……。先生から『危ない』と言われても何度も乗り越えてきています」

 高齢になると、日常の中に思わぬ危険が潜んでいるのは人間もねこも同じ。とまとくんの通り道には「なるべく物を置かない」よう両親にお願いをしていますが、2人も高齢のため難しいことも。それでも両親ととまとくんがより生活しやすくなるよう日々、試行錯誤を繰り返しているそう。

「とまとがトイレの中に入って排泄をすることが難しくなり、今は床にペットシートを大量に敷いています。怪我をした反対側の目も軽い白内障の疑いがあるそうです。どこまで見えているか分からないため、声をかけるようにしています。耳も遠くなっているかもしれないので、体に顔を寄せたりしながら話しかけて、伝わるように心がけています」