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からだ・美容

眠っても疲れが取れない…どこを温めればリラックスできる? “少しだけ早寝”も効果的

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

教えてくれた人:西谷 綾子

睡眠改善インストラクターの資格を持つタレントの西谷綾子さん
睡眠改善インストラクターの資格を持つタレントの西谷綾子さん

 年末にかけて繁忙期を迎えるお仕事も多いですよね。忙しさについつい根を詰めてしまい、気が付くと「いつも以上に疲れが溜まっている」ということも……。そんな時期こそしっかりと質の良い睡眠を取りたいものですが、眠っても疲れが取れないという悩みも耳にします。今回もタレントで睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会)でもある西谷綾子さんに、質の良い睡眠を取るコツを教えていただきました。第8回のテーマは「眠っても取れない疲れについて」です。

 ◇ ◇ ◇

眠っても取れない疲れに効果的な方法は?

【今回のお悩み】
「きちんと眠っているのに疲れが取れないのですが、どうしたらいいのでしょうか?」(Tさん)

 年末は物理的に忙しくなると同時に、いろいろと気ぜわしくもなってくる季節。そんな時こそ質の良い睡眠を取って健康を保ちたいですね。眠っているのに疲れが取れない状況では、生活に支障をきたしてしまいます。朝にすっきり起きるためにはどんな方法が有効なのか。質の良い睡眠を取るための具体的な方法とコツをご紹介しましょう。

【具体的な方法:仙骨を温める】
 仙骨とはおしりの真ん中にある逆三角形の骨のこと。仙骨が冷えていると寝付きが悪くなったり、夜中にトイレに目覚めてしまったりします。

 逆に温めると副交感神経が優位になり、リラックス効果を得ることができます。眠る30分前に湯たんぽやレンジで温めて使うホットパッドなどを使って、仙骨を温めてあげるといいですね。

 その際に気を付けていただきたいのは、温かい状態が長時間保たれるものを“使わない”こと。湯たんぽやホットパッドなどは時間ともに温度が下がっていきますが、電気毛布や電気あんか、貼るカイロなどはずっと温かい状態のまま。私たちは深部体温が急激に下がってから眠りに入っていくため、体温が一定のままでは睡眠の質が下がり、疲れが取れません。この理由から、こたつで眠ることも避けましょう。

【具体的なコツ】
1. 眠ること以外はしない
 一つは布団の上でスマートフォンなどの携帯端末を触らないこと。布団は本来、安心して眠るための場所。そんな場所でスマートフォンやテレビを見たり、メールをチェックしたりと寝る以外のことをすると脳が活発に働いてしまい眠りにつきにくくなるばかりか、布団に入っても安心して眠ることができなくなってしまうのです。

“お布団=安心して眠ることができる場所”という風に脳に記憶させましょう。スペース的に難しい方は、ベッドの上半分にあたる枕元は睡眠の場所、下半分にあたる足元はスマートフォンを使う場所と区分すれば大丈夫です。

2. 夕方に眠らない
 一般的に眠気は起床から8時間後に訪れ、脳の覚醒が低下し働きが悪くなります。午前6時に起きた場合は午後2時頃です。そのため、仮眠は眠くなる少し前の起床6時間後辺りがベスト。眠くなる前に脳の中の睡眠物質を減らすと午後の作業効率がアップします。1~5分目を閉じるだけでも脳を休めることができますよ。

 また、午前6時に起きた日は起床から11時間後が夕方。深部体温が一番高い時間帯です。この時間帯に居眠りしてしまうと、体温がガクンと下がってしまうので、本睡眠の時に寝付きにくかったり、深い睡眠が取れにくくなったりします。

 例えば、帰りの電車の中や帰宅後にソファでうとうとして、本睡眠の前に仮眠を入れてしまうこと。そうして夕方に眠ってしまったため本睡眠が浅くなり、朝起きた時に何だか疲れが取れない……という状況はよくありますよね。

 また疲れが溜まってくる夕方の居眠りが習慣になってしまうと、睡眠の質を上げることが難しくなります。もしどうしても眠くなってしまう時は、前もって昼間に計画仮眠を取るよう心がけましょう。

 休日などに時間がある方は、ぜひ夕方に運動を取り入れてみてください。平日に起床から11時間後の深部体温が上がりやすくなります。ぜひ、休日の夕方は運動の時間にしてみてください。