健康・美

眠る前のスマホが快眠を妨げる理由とは 習慣ではなく“場所”を変えるだけで効果あり

著者:関口 裕子

教えてくれた人:西谷 綾子

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睡眠改善インストラクターの資格を持つタレントの西谷綾子さん
睡眠改善インストラクターの資格を持つタレントの西谷綾子さん

 眠れないからと布団の上でSNSを見たり、本を読んだり……。「余計に目が冴えてしまった!」という経験をした方は多いのではないでしょうか? 読者の皆さんから寄せられた睡眠に関する悩みを、タレントで睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会)でもある西谷綾子さんと一緒に解決していくこの連載。第2回のテーマは「安眠のためにしてはいけないこと」です。

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脳は場所と行為をセットにして記憶する仕組みを持っている

【今回のお悩み】
「眠る前にスマートフォンを使うと睡眠に良くないと聞きます。その理由は一体なぜなのですか? またやめる方法はありますか?」(Oさん)

 私が睡眠改善インストラクターの資格を取って最初にやめたのは、お布団の上でスマホを触ることでした。なぜダメかというと、私たちの脳は場所と行為をセットにして記憶する仕組みを持っているからなんです。

 例えば、お布団の上でSNSやメールをチェックすると、脳はその場所を“文字を読む・画像を見る場所”として記憶します。言葉を理解して表現する脳の部分などが働くようになってしまいます。

 お布団は本来、安心して眠るための場所。そんな場所でメールチェックやテレビ視聴、音楽鑑賞、読書など眠る以外のことをすると、脳が活発に働いてしまいます。その結果、なかなか寝付けないなど睡眠の質を落としてしまうことになるので、“お布団=眠る場所”として脳に記憶させることが大切です。

習慣が変えられない場合は場所を変えよう!

 でも、眠る前の習慣を変えるのはなかなか大変ですよね。それはたぶん、多くの方にとって眠る前が一番プライベートを確保できる時間だから。一日の終わりにやっと自分の時間を持てた場合、やりたいことはたくさんあるものです。

 そういう場合、習慣を変える必要はありません。場所だけを変えてください。“お布団=眠る場所”と記憶させたいので、例えばスマホを触るのはダイニングのテーブル、リビングのソファなどと場所をしっかり決める。それだけで、お布団に入った時に入眠のスムーズさは変化します。

 寮暮らしや自宅スペースの都合で代わりの場所が確保できない場合は、お布団の足元のエリア、枕とは逆のスペースでスマホを使いましょう。読書も動画視聴も同じです。お布団スペースであっても自分でエリアを決めて、眠る場所とスマホを触る場所を区切ることで脳はしっかり記憶するといいます。

 極端な例かもしれませんが、何か嫌なことがあった場所はそのまま行きたくない“嫌な場所”になりますよね。それは、嫌なことがあった場所として脳に記憶されてしまうから。でも記憶は上書きができますから、どんどん書き換えることができます。眠る場所をそうしてしっかり脳に記憶させることが大切です。

本能を呼び覚まさない? 敵のいない安心して眠れる場所を確保しよう

 実は枕の周りに物を置くのもあまりおすすめできません。本やアラーム代わりのスマホもダメ。夜中に目覚めやすくなったり、睡眠が浅くなったりしてしまいます。

 野生の動物は、いつ敵が来てもいいように注意を払いながら眠っていますよね。その本能は私たち人間にも残っています。そのため、周りに物があると警戒心が働き、眠りが浅くなってしまうんです。

 だから枕の周りにはできる限り物を置かず、敵のいない安心して眠れる場所だと脳に記憶させましょう。これだけで睡眠の質は結構変わります。

(関口 裕子)

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

1986年4月4日、鳥取県生まれ。小学校3年生からバスケットボールを始め高校時代にはインターハイ・ウィンターカップ3年連続出場。モデルの仕事でランニングと出合い、2009年から本格的なトレーニングを開始。10年に初フルマラソンで完走し、16年の東京マラソンで3時間1分32秒という自己ベストを記録した。怪我をしないランニングライフを推奨した講習会や、睡眠改善インストラクターの資格を生かした「上手に寝て、健康になる」講演会を開催中。