からだ・美容
睡眠改善インストラクターが語る「質の良い睡眠」の重要性 前提となる2つのポイント
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:西谷 綾子
「最近眠れない」や「目が覚めても疲れが取れない」といった睡眠にまつわる悩み。コロナ禍以降にひどくなったという人も多いでしょう。「質の良い睡眠は大切」と耳にしますが、具体的にはどういった部分なのでしょうか。タレントで睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会)の西谷綾子さんが皆さんの睡眠に関する悩みを解決していくこの連載。第1回は西谷さんが実体験で感じた睡眠の大切さと、インストラクターというお仕事自体について話を伺いました。
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なぜ睡眠改善インストラクターの資格を取得したのか?
こんにちは。西谷綾子と申します。ご挨拶代わりにまず、なぜ私が睡眠改善インストラクターの資格を取得したのか、お話ししたいと思います。
私はモデルになるため、20歳の時に東京へ出てきました。でも頑張ってマネキンのような体型を維持しているのに、オーディションにはまったく受かりません。その上、生理不順になり、体も壊してしまいました。
「何をするために東京へ来たのだろう」「周りに負けない武器って何だろう」と考える中で、小学3年生から10年間も続けたもの、バスケットボールを思い出します。好きなことでこそ自分が輝ける。それはスポーツではないかと思い至り、スポーツ系のモデルへとシフトチェンジしました。
運動をするなら、食事も大切。同時にジュニアアスリートフードマイスターの資格を取りました。アスリートをより深く理解して、食事をサポートすることのできる資格です。そうして運動と食事を深めていくうちに、もう一つ大切なことに気付きました。眠ることです。私自身、睡眠の悩みを抱えていたこともあって、睡眠改善インストラクターの資格を取りました。
運動、食事、睡眠の正しい知識を得たことで、とても快適に過ごせるようになったのは言うまでもありません。そして、その知識は近しい人にも喜んでもらえるものでした。
脳や精神に蓄積した疲労を取り除くことも睡眠の大きな効果
ここで前提となる「質の良い睡眠」とはどんなものなのか、確認しておきましょう。
【質の良い睡眠条件】
・ぐっすりと眠れる
・寝起きがすっきりしている
この2つが揃っていれば「質の良い睡眠」です。「寝付きの良さ」もこれにあたるように思えますが、通常は目を閉じてから眠りに入るまで10分程度かかります。このため、眠りにつく時にまどろまず10分もかからないという場合は、逆に睡眠不足の可能性があります。
自分の睡眠が「質の良い睡眠」にあたるかを判断する基準は、起床から4時間後に眠気がないこと。起床4時間後は脳波活動が最も活発で、一日のうちに最も頭が冴えている時間帯だからです。
心身の健康は、そんな睡眠を取ることで回復します。肉体の疲労はもちろん、脳や精神に蓄積した疲労を取り除くことも睡眠の大きな効果です。その他にも睡眠はさまざまな効果をもたらします。
私の父は52歳の時に心筋梗塞で倒れ、10年間植物人間状態で意識を取り戻すことのないまま亡くなってしまいました。当時の父は、自分の睡眠を削って仕事に取り組んでいました。私は高校2年生でしたので仕方ありませんが、「あの時に睡眠改善インストラクターの知識があれば、父の睡眠を改善できたのに……」と思うことがあります。
厚生労働省が発表した「令和2年度 健康実態調査結果」によると、「睡眠全体の質に満足できなかった」と答えた人は3割を超えています。睡眠不足は本当に怖いものです。質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させるとも言われています。皆さんにその怖さを知っていただき、質の良い睡眠を取っていただきたいなと思います。