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交通機関などでのカスハラ 「土下座の強要」が多い業種は? 2万人が回答したリアル

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

謝罪よりも大胆な行為を強要されることも……(写真はイメージ)【写真:写真AC】
謝罪よりも大胆な行為を強要されることも……(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉が使われるようになり、しばらく経ちます。外出自粛傾向と合わせて数自体は減っているのか……と想像しますが、残念なことになくなってはいないようです。公共交通機関や物流、観光産業の現場で働くキーワーカー2万人超が回答したアンケート調査から、最新の現状を見てみましょう。

 ◇ ◇ ◇

被害経験が「11回以上」を超えた業種は「鉄道」「バス」「海運・港湾」

 交通・運輸・観光などの産業で働く約60万人が加盟する労働組合「全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)」は2021年5月~8月、カスタマーハラスメント(カスハラ)の悪質クレーム・迷惑行為に関するアンケートを実施しました。総回答者数は17構成組織の2万908人という本格的な規模の調査です。回答者の業種も「タクシー」「バス」「鉄道」「航空」「観光サービス」「トラック」「海運・港湾」と多岐にわたっています。

 まずは、直近2年以内で利用者などから迷惑行為の被害にあった経験を問う設問から見てみましょう。「あわなかった」は53.4%、「あった」は46.6%という結果から、回答者のほぼ2人に1人が経験者だと分かりました。中でも被害経験が「11回以上」を超えた業種は「鉄道」「バス」「海運・港湾」という結果に。

【「あった」と回答した人の割合が多かった業種トップ3】
1位「タクシー」58.0%
2位「バス」54.4%
3位「鉄道」52.4%

 そこで気になるのは、カスハラを行う側の傾向です。まず性別では、「女性」10.7%と「男性」86.4%と圧倒的な差がつきました。対して年代は1位が「50代」(29.2%)、2位が「40代」(20.6%)、3位が「60代」(20.5%)となり、主に40~60代の中高年に多い現状が分かります。

 また、カスハラを受けた形態は「対面」(80.9%)が1位に。場所は「他の利用者などもいる職場内」(80.1%)がダントツでした。また時間は上位から「20~24時」(23.8%)、「17時~20時」(18.7%)、「14時~17時」(16.2%)で、夜になるほど増加傾向にあるようです。性別や年代に関する具体例を自由回答から拾ってみましょう。

「航空業界は接客をしているのが若い女性が多いこともあり下に見られやすいのか、クレームを強く言われることが非常に多いです。特に50代~60代の男性の威圧的で理不尽なクレームが多く、それが非常に苦痛になっています。上司も何か特別なケアをしてくれるわけではないので、専門的な機関にすぐ繋ぐことができたり、精神的なアフターフォローが受けられる仕組みが必要だと感じます」(航空関係)
「コロナ前からワガママで多数の迷惑行為をする世代(男性60代~)が、コロナ禍でさらにエスカレートしている印象があり、多くの従業員のストレスにつながっています」(鉄道関係)