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交通機関などでのカスハラ 「土下座の強要」が多い業種は? 2万人が回答したリアル

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「悪質クレーム、従業員に対する人格攻撃等は年々増加傾向にある」

 いくらサービスに対する不満や自身のストレスがあるからといって、キーワーカーに大声を張り上げて良いというわけではありません。迷惑行為への対応を問う設問では、「毅然と対応」(26.4%)、「謝り続けた」(23.7%)、「上司に引きついだ」(22.4%)が上位に並んだ一方、「危険を感じて退避」といった声もあったそうです。

 コロナ禍特有の迷惑行為に関する設問(複数回答可)でも、心が痛む結果が。回答者のうち4230人が、「暴言」(40.1%)、「威嚇・脅迫」(17.6%)、「スプレーなどをかけられた」(7.9%)といった差別や偏見、誹謗中傷などを含む、迷惑行為を受けたそうです。「病院の診断・検査などを断られた」(4.8%)という回答も。自由回答を見てみましょう。

「キーワーカーを理由として、人間ドックを受けさせてもらえない病院があり、とても困りました」(鉄道関係)
「医療従事者に対する誹謗・中傷が社会問題として取り上げられますが、交通運輸産業従事者に対する誹謗・中傷も多く存在していることがもっと周知されるように発信していただきたいです」(トラック関係)
「高齢の女性のお客様にいきなり、アルコールスプレーをかけられました。その時、アルコールが目に入り痛みを感じました。『やめて下さい、痛いです』と言うと、逆に会社にクレームを入れられました。上司に理由を報告しましたが、特に対処はしてもらえませんでした。コロナ禍での配達員への条例など考えて頂けたらと思います」(トラック関係)

 さらに「迷惑行為を体験した後、心身の状態に何か変化はありましたか」と問う設問では、「嫌な思いや不快感が続いた」が50.0%と半数に。「心療内科などに行った」という回答も0.5%ありました。

 また、自由回答には法整備を求める声や利用者への理解を訴える声も。現場の深刻な状況を知ることができます。

「サービス業なので仕方ないことかもしれませんが、こちらが下手にでなければいけないのはとても不快で、心身が擦り減る思いです。利用者側にももっと厳しい処罰や線引きをきちんと行える施策を導入してほしいです」(航空関係)
「上司や同僚がクレーマー対応で長時間拘束されている事案があり、業務妨害にもなりうるのではないかと思います。暴力だけでなく、暴言や長時間拘束は即警察に通報してもいいような法律ができてほしいと思いました」(観光サービス関係)
「悪質クレームに対してこちらが正しくても、我慢を強いられ、運転士の人権がないように感じます」(バス関係)
「コロナを問わず暴力行為など増えているので、警備体制の強化や、毅然とした対応など備えていく必要があると思います。お客様だから何をしてもいいわけではないということを理解してほしいです」(鉄道関係)

「正しくあること」は社会における重要なルールではありますが、主張する内容が「本当に正しいか」はまた別の問題。自分と相手、周囲と視点を変えると、関係者全員が納得できる新たな見方や解決法が生まれることもありますよね。視野を広くして、柔軟性を意識することが、やさしい社会を作るストレートな方法だと言えます。「きれいごと」と言ってしまえばそれまで。まずは誰かが実践しなくては、変化も始まらないでしょう。

(Hint-Pot編集部)