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どうぶつ

猫のおしりから紐…実録漫画と獣医師から学ぶ誤飲の正しい対処法「ためになる」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

誤飲を確認したら目立つ症状がなくても動物病院へ!

 漫画内では、おしりから異物が出てきた際の対処方法をメインに描いています。実際にペットが誤飲した場合、飼い主はどのように対処するべきでしょうか。猫専門動物病院「レイクタウンねこ診療所」の獣医師・長谷川諒先生にお聞きしました。

Q. 猫の誤飲は多いですか?
「肉食の猫は雑食の犬に比べ、口の中に入れるものを自分で選ぶ傾向が高いため、犬よりは少ないです。とはいえ、油断は禁物。猫の誤飲で多い異物の一つとして挙げられるのが、紐状のものです。

 猫は紐状のものが大好きで、中にはおもちゃで遊んでいるうちに飲み込んでしまったという例も。また、靴紐や洋服に付いた紐、布製品のほつれた糸や布、ペットシーツ、ヘアゴムなどがあります。ビニール製の袋やラッピングフィルム、ラップなどにも注意が必要です」

Q. 猫の誤飲を確認した時は、どのようなことに気を付ければいいですか?
「嘔吐の有無、食欲や元気がない状況かをまず冷静に確認してください。そして、誤飲を確認した、もしくはその可能性が高い場合は、早急に動物病院での受診をおすすめします。なぜなら、異物によって腸閉塞や腸の壊死などが引き起こされ、命の危険につながることがあるからです。

 たとえ目立った症状が出ていなくても、獣医師には早めに相談してください。受診の際は、『いつ、何を、どのくらいの量』飲み込んだのかを伝えましょう。飲み込んだものの一部や嘔吐物などがあれば持参してください」

Q. おしりから髪の毛が出ている場合も引っ張ってはダメですか?
「細い髪の毛であっても腸壁を傷付ける可能性があるため、引っ張ってはいけません。この漫画にもあるように、出てきた分だけハサミで切るといいでしょう。心配な場合は獣医師に相談してください。猫が飼い主さんの頭や髪の毛を舐めるのが好きな場合は、止めてあげるように気を配りましょう」

Q. 誤飲が起きないようにするためにどうすればいいですか?
「猫じゃらしなどの紐が付いたおもちゃは飼い主さんと遊ぶ時だけにしましょう。また、飲み込めてしまうサイズの小さなおもちゃも与えないようにします。周囲のゴミ類をきちんと片付けるのはもちろん、カーテンやカーペット、洋服などのほつれにも注意が必要。安全な飼育環境を整えることが大切です」

 ちなみに、アイペット損害保険株式会社の「ペットの保険金請求が多い傷病のランキング2021」によると、猫の手術での1位は「異物誤飲」。同社の保険金支払いデータに基づき獣医師が算出した参考診療費は22万800円(開腹手術で異物を取り出した場合)でした。猫の体のみならず、飼い主の金銭面でも負担が大きい誤飲。日頃から飼育環境を整備し、注意を払いましょう。

(Hint-Pot編集部)