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中止都市から人が大移動も ドイツのクリスマスマーケット 今年の開催事情を振り返る
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昨年と比べ、新型コロナウイルスに関する規制が緩まった中でクリスマスを迎えた日本。「今年こそは」と、気心の知れた者同士で楽しいひと時を過ごした人も多いでしょう。一方で、感染の急拡大が報じられる海外はどうだったのでしょうか。そこで今回は、日本にもファンが多いヨーロッパの風物詩とされるクリスマスマーケットに注目。ドイツ在住ライターの中野吉之伴さんに、変わらないその魅力やコロナ禍での開催事情などについて教えていただきました。
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歩くだけでも楽しいクリスマスマーケット 寒い時期ならではの定番の飲み物も
ヨーロッパでこの時期の風物詩といえば、クリスマスマーケット。きらびやかにライトアップされた一角で、クリスマスの贈り物やデコレーション、地元作家による工芸品、土地の名産品などが購入できます。家族や友人と雰囲気を楽しみながらそぞろ歩くだけでも楽しい場所です。
大きな町では複数が設営され、それぞれ別々のテーマで構成されることも。観覧車やメリーゴーラウンド、スケートリンクなども併設され、街中に小さなテーマパークが現れたような景色になります。
食べ物も魅力いっぱい。焼き栗やワッフル、マッシュルーム炒め、ゆでトウモロコシのバターソースかけといった屋台が所狭しと並んでいます。もちろん、ドイツといえばお約束の焼きソーセージもお忘れなくいただきたいところです。
「カルトッフェルプファー」と呼ばれる塩味の利いたジャガイモのパンケーキもおすすめですね。こちらは「ライベプファンクーヘン」「レシュティ」など、地方やレシピによって名称に違いが。粗めにすりおろしたジャガイモの生地を多めの油でカリっと揚げ焼きにして、リンゴのソースまたはクリームチーズのソースを添えていただきます。
寒い冬に屋外で行われるイベントですから、温かい飲み物も欠かせません。定番は何といっても「グリューワイン」。フルーツやスパイスなどで味付けした熱々のワインをカップに注いでもらいます。筆者が暮らすフライブルクを中心とする地方はワインの産地で、しかもドイツでは珍しく赤ワインが有名。そのためグリューワインも赤、白、ロゼと種類が豊富です。ワイナリーごとの味わいの違いを楽しむことができるのもいいですね。
クリスマスマーケットでは、ワインのカップに3ユーロ(約400円)ほどのデポジットがついていることも多く、かわいいデザインのカップをお土産として持ち帰り、コレクションしている人もたくさんいます。お酒の飲めない人や子どもには、ブドウやリンゴのジュースをベースに、体が温まるスパイスで香りづけした「キンダープンシュ」という飲み物も。