仕事・人生
スイーツ激戦区の人気店 パティシエールは元高校職員 人生を変えた先輩の言葉とは
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“好き”を職業に変える秘訣は…「周りを巻き込む」
おいしいお菓子を届けたい。伊東さんはその思いを実現するため、日頃から現行商品の改良や新商品開発のヒントをつかむアンテナを立てています。
「業者さんが持ってきてくださる新商材からアイディアを得たり、コンビニエンスストアや大手のカフェで流行っているメニューや味の組み合わせにヒントを得たり、今年のマリトッツォのようなトレンドを確かめたり。消費者が何を求めているのか、自分ならそれをどうアレンジできるかと考えています。頭の片隅で『何かおいしいもの作れないかな。いい組み合わせはないかな』ってずーっと考えていますね」
探究心が強いあまり、こんな“職業病”が出てしまうことも……。
「夫が『ここのお店は人気だから買ってきたよ』とお土産をくれる時も、私は一口食べて『あの香辛料を使っているな』『この組み合わせは面白いな』って分析しながら食べてしまう。私にとっては癒されるというより、分析のスイッチが入るものになってしまいました(笑)」
何気なく通い始めたお菓子教室から、人気店のオーナーパティシエールへ。伊東さんが踏み出した小さな一歩は、人生を180度変える道へと繋がりました。当時の自分のように「何かを始めたい」と思う女性たちに、こんなアドバイスを送ります。
「今は個人で発信しやすい時代。できない理由や制約を見つけるのではなく、小さなことでも発信するといいと思います。例えば、近所のママ友に手芸が得意なことを伝えたら、『私のネイルサロンに作品を置いてみる?』という話になるかもしれない。私自身、職場でお菓子作りにハマっていると話したことが、すべての始まりでしたから。思いを内に秘めるのではなく外に発信することはすごく重要だし、一人ではなく周りを巻き込むと実現できることもあります。発信から輝いて生きていける道に繋げてほしいですね」
“好き”を仕事に変えた伊東さんからのアドバイス。顔に浮かんだ晴れやかで充実した表情こそ、効果の大きさを物語っていると言えそうです。
大学卒業後、高校の事務員として働きながら、週末のお菓子教室へ通い始め、お菓子作りの魅力に取り憑かれる。仏パリへの短期留学を経て、お菓子作りの道を究めようと決意。より高い技術と知識を学ぶため、料理学校「ル・コルドン・ブルー 東京校」に入学。卒業後は個人店やホテルで修行を積み、2009年に兵庫県芦屋で「ポッシュ・ドゥ・レーヴ芦屋」を開業する。
(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)