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サンタは年越しまでお仕事!? スペインで年明けに食べるお菓子はまさに“ババ抜き”
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クリスマスからお正月というイベントも終わり、通常モードに戻りつつある日本。しかし、スペインの年越しの様子は、日本だけでなく他の諸外国と比べても少々趣が異なっていました。クリスマスと年越しがワンセットで、サンタクロースもクリスマスだけで仕事が終わらないのがスペイン流。バルセロナでジャーナリストとして活躍する山本美智子さんに、スペインの年越し事情について教えていただきました。
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スペインでは年明けの「公現祭」までが“クリスマスイベント”
スペインにとって、新年は、日本ほど粛々とした感じはありません。というのも、スペインはクリスマスに「年越し」をするからなのです。
日本をはじめとする多くの国では、12月24日のイブ、25日のクリスマスを終えると、クリスマスイベントは終了しますが、スペインでは新年になっても町中にネオンが輝いています。それは1月6日に「公現祭」があるためです。
この日は、東方の三博士が馬小屋で生まれたイエス・キリスト誕生を祝い、挨拶に訪れたと伝えられている日。スペイン中で東方の三博士が馬車に乗り、パレードを行い、集まってくる子どもたちにキャンディーをばらまくというイベントが行われます。スペインには、一体どれくらい東方の三博士がいるのか……なんて野暮なことは、もちろん言いっこなしです。
実は元々、スペインにサンタクロースは存在しませんでした。その代わりに、年明けの1月6日に、東方の三博士が子どもにプレゼントを持ってきてくれるという習わしがあります。何を持ってきてほしいかを手紙に書くのはサンタクロースと一緒。違うのは、その前の年に良い子にしていた子どもたちだけにプレゼントを持ってくるところです。
良い子にしていなかった子どもたちは、「炭」を置いていかれます。なので、スペインの年末年始は家のお手伝いをしたり、せっせと冬休みの宿題に励んだり、と良い子が増えます。スペイン人のお母さんたちが、「良い子にしていないと、炭を置いていかれるわよー」と脅す声が想像できることでしょう。