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BTSの“推し活”はコロナ禍でも勢いを増した!? ファンと専門家が語るその理由とは
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何気ない会話の中で「〇〇のファンです」と言うと、「推しは誰?」と聞かれることが一般的になってきました。アイドルやアニメ、スポーツ選手など、世の中にはさまざまな「推し」が存在しますが、そんな「推し」を応援する「推し活」の世界はコロナ禍で少し変わってきているようです。世界的人気を博しているBTS(防弾少年団)は、その変化が特に顕著だったよう。そこで、ファンの日本人女性と韓国ポピュラー文化の専門家に、その具体例や変化がもたらしたプラスの効果などについて話を伺いました。
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他のアイドルとは「すべてが違った」と語るBTSの魅力
2013年に本国・韓国でデビューしたBTS。リーダーのRM(キム・ナムジュン)を筆頭に、ジン(キム・ソクジン)、SUGA(ミン・ユンギ)、J-HOPE(チョン・ホソク)、ジミン(パク・ジミン)、V(キム・テヒョン)、ジョングク(チョン・ジョングク)から成る7人グループです。
現地時間11月21日には、米ロサンゼルスで開催された「アメリカン・ミュージック・アワード2021」で最優秀アーティスト賞(Artist of The Year)、好きなポップデュオ/グループ賞、ポップソング賞(『Butter』で獲得)の三冠に輝きました。コロナ禍でも人気に衰えが見えない背後には一体何があるのでしょうか。
そこでまず、「ARMY」と呼ばれる彼らのファンで、中でもVとSUGAが「推し」という東京都在住の進藤美由紀さん(仮名)に、近頃の「推し活」事情を語っていただきました。
「バンタン(BTS=防弾少年団の韓国語読み「バンタンソニョンダン」の「バンタン」)のファンは基本的にメンバー7人全員が好きなんですよ。バンタンは7人それぞれに自分の考えや自我、才能があるんです。そこが、私がハマった理由かなと思います」
これまで一度も誰かのファンになったり、何かにハマったりしたことがなかったという進藤さん。人生で初めてハマったのがBTSだったそう。そのきっかけはまず、別のグループと出会ったことでした。
テニス好きの進藤さんは、試合中継を見ていた合間に別のK-POPアイドルが出演する番組を目にしたそうです。そこでそのグループのファンになりましたが、「ちょっと私には合わないかも」と数か月でファンを辞めてしまいました。
その頃、BTSは既に人気急上昇中。「人気があるというのは聞いていた」という進藤さんは、日本の音楽番組で『DNA』(2017年9月リリース『LOVE YOURSELF 承 Her』収録曲)を目にします。
「人気があるということは何かがあるはずだと思っているので、とりあえず何でも一回は受け入れることにしています。その上で、自分に合うか合わないかを判断するのが私のスタイルなんです」
そこで見てみたところ「本人たちの意識や音楽性、もうすべてが違った圧倒的に違う」と感じたそうです。一瞬にして“落ちてしまった”進藤さんは、すぐにコンサートへ足を運びました。それは、2018年に行われたBTSにとって初のドームツアー。進藤さん自身も初体験のコンサートでしたが、「東京ドーム公演を2日間申し込んだら、運良く両日ともチケットが取れました」と当時を振り返ります。
「彼らのライブを見たらハマらない人はいないと思います。私はこのとき東京ドーム公演しかチケットを取っていなくて、ライブ前はどうして日本でやっているツアーの他公演にわざわざ遠征(遠方のコンサートやイベントに参加すること)するのか理解できなかったのですが、ライブ後には『どうして他公演を申し込まなかったのか』と後悔したほどです」
公演が終わると、その日起きたことやメンバーのMCの内容などがSNSを通じてすぐに拡散されます。すると、「『何で私は今、東京にいるんだろう?』『なんで彼らは福岡にいるのに、私はそこにいなかったんだ!』って思って、キー―――ってなるんです」とのこと。なんとも複雑なファン心理ですね。
「同じ公演なのでセトリ(セットリスト=曲順)は同じですが、本人たちのコンディションもMCもその日ごとに違うので、『全公演に行かないともったいない』、少なくとも日本でやっている公演で『行ける日は全部行きたい』とツアーが終わってから思ったんです」
その言葉どおり、進藤さんは翌年の2019年に大阪と静岡で開催されたコンサート「BTS WORLD TOUR‘LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF’~JAPAN EDITION」と、千葉と大阪で開催されたファンミーティング「BTS JAPAN OFFICIAL FANMEETING VOL.5 [ MAGIC SHOP ]』の全日程計8日間に“参戦”しました。