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イチゴは野菜? 食べている「赤い部分」は果実ではない? 知っているようで知らない事実

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

果実はどこ? つぶつぶだった!

つぶつぶの部分が果実(写真はイメージ)【写真:写真AC】
つぶつぶの部分が果実(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 イチゴの果実は本来、赤い部分ではありません。種と思われがちな、表面にあるつぶつぶの一つひとつが果実です。これは「痩果(そうか)」と呼ばれる部位で、その中に種が入っています。1粒に含まれている痩果は、通常200~300個だそうです。

 食べている赤い部分は「花托(かたく)」または「花床(かしょう)」と呼ばれ、果実を支える部位。クッションのように花の中心の茎が太くなって膨らんだもので、果実を守る役割があります。本当の果実ではない部位が大きくなって果実のように見えることから、植物学でイチゴの実は「偽果(ぎか)」とも呼ばれるそうです。

先端よりもヘタ部分から食べると良い理由とは

イチゴは先端の方が甘味がある(写真はイメージ)【写真:写真AC】
イチゴは先端の方が甘味がある(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 イチゴを食べる時、どこから食べますか? ヘタの部分を持って、先端から食べる人が多いかもしれません。

 しかし、もし最後まで甘味を感じたい時は、ヘタの方から食べると良いでしょう。イチゴは先端部分から熟していくので、ヘタよりも先端に糖分が多く含まれているからです。ヘタの部分を最後に食べると酸味を感じやすくなります。

 保存する際はパックから出して、ラップに包んだり、袋に入れたりしましょう。食べる直前にヘタをつけたまま水洗いを。水に浸けると傷みやすく水っぽくなり、さらに水溶性のビタミンCなどが溶出してしまいます。

 冷凍する際も水洗いをした後ヘタを取り、十分に水分を取ってから冷凍用の保存袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。

 イチゴの栄養といえば、何といっても豊富なビタミンC。一般的に中粒1個で約15グラム、大粒1個で約20グラムと言われています。中粒であればおよそ11個で、厚生労働省が推奨する成人1日分のビタミンC摂取量100ミリグラムに達するのです。

 また、腸の働きを助ける食物繊維や赤血球の生産を助ける葉酸も含まれています。体調を崩しがちな寒い時期は、ぜひ積極的に食べたいですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾