からだ・美容
質の良い睡眠を作る寝具 部屋着のままで一日中いることがNGの理由とは
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教えてくれた人:西谷 綾子
マットレス:ポイントは寝返りの打ちやすさ
寝返りの回数は一晩に20回程度。自分に合ったマットレスを選ぶ一番のポイントは、この寝返りをスムーズに打つことができるかどうかです。朝起きた時に首や肩、腰が痛くなっているようであれば、マットレスが合っていない可能性もあります。
寝返りをサポートしてくれるマットレスといえば、高反発タイプ。変えたばかりの頃は体が痛くなることもあるようですが、慣れるとより深い眠りを得ることができるでしょう。すぐに慣れるのは低反発で、横になった瞬間に全身が包み込まれて沈むような感覚です。どちらにも利点があるため、一概にこれがいいとは言えません。また、気軽な買い替えが難しいものでもありますよね。
そこでまずは上手に寝返りを打てるよう、筋肉を鍛えることから始めてみましょう。ルーティンの運動に取り入れやすいのはヒップリフト。仰向けに寝て膝を90度に曲げた状態から、膝から肩までが一直線になるまで腰を上げて下げるという道具いらずのエクササイズです。最初は5回程度から始め、徐々に回数を増やしていくと良いでしょう。
夕方にこのエクササイズを行うと深部体温もグンと上がりますので、質の良い睡眠にもつながっていきます。また、引き締め効果で美しいヒップラインを手に入れることもできますよ。
枕:首のカーブがまっすぐ立った姿勢とほぼ同じになるものを
枕を選ぶポイントは、使う時に頭から肩まで隙間ができないことと、首のカーブがまっすぐに立った状態とほぼ同じであること。頭と首、肩をしっかりとサポートし、アゴの位置が不自然に上下しないものを選んでください。
そして、枕でも考慮するのは寝返りです。顔を左右に抵抗なく動ける高さ、ゆったりと快適に寝返りしやすい横幅と奥行きのものが良いでしょう。また、枕の役割の一つは、最初の睡眠を深くするために重要な酸素を取り込むための呼吸確保です。そのため、枕のサポートがなくても呼吸管理ができる人は使わなくても大丈夫。
ちなみに、私は枕が変わると眠りに影響が出てしまうタイプ。マラソン大会やキャンプ、入院時など、どこにでも枕を持ち歩きます。多少眠りにくい場所でも、枕がしっかりしていれば安心して眠れるんです。枕は物理的なサポートに加え、安心感も与えてくれるような気がします。アスリートの皆さんにも、合宿やレース、試合の宿舎にマットレスや枕を持参する方が多いですよね。
(関口 裕子)
西谷 綾子(にしたに・あやこ)
1986年4月4日、鳥取県生まれ。小学校3年生からバスケットボールを始め高校時代にはインターハイ・ウィンターカップ3年連続出場。モデルの仕事でランニングと出合い、2009年から本格的なトレーニングを開始。10年に初フルマラソンで完走し、16年の東京マラソンで3時間1分32秒という自己ベストを記録した。怪我をしないランニングライフを推奨した講習会や、睡眠改善インストラクターの資格を生かした「上手に寝て、健康になる」講演会を開催中。