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お正月の“終わり”は15日? 小正月に小豆粥を食べる理由 正月飾りを燃やす日にも

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

食べるものは「小豆粥」 新年の吉兆の占いにも

小豆粥(写真はイメージ)【写真:写真AC】
小豆粥(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 小正月の朝に食べる「小豆粥」は、別名「十五日粥」とも言われます。一年間は病気をしないよう、家族の健康を願って小豆が入ったお粥を食べる風習です。古くから小豆のように赤い色の食べ物は「邪気を払う」と考えられてきました。古来中国で行われていた、小豆粥を炊いて家族の健康を祝う習わしが伝えられたものと考えられています。

 小豆粥を用いた「粥占(かゆうら)」という行事も、地域によって行われます。粥でその年の農作物や世相の吉兆を占うものです。一般的な占い方は、鍋の中で煮えた粥の中に竹筒などの棒を入れてかき回し、ついた米や小豆の数で予想したり、竹筒に詰めて炊いた小豆粥のでき具合で判断したりします。

正月飾りを燃やして区切りをつける

正月飾りを燃やす行事・左義長(写真はイメージ)【写真:写真AC】
正月飾りを燃やす行事・左義長(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 正月飾りを燃やす行事「左義長(さぎちょう)」も行われます。その由来は、竹を三叉に組んだ「三毬杖(さぎちょう)」で正月飾りを焼いたことのようです。また、元々は平安時代に宮中で行われていた陰陽道の「悪魔祓い」の儀式だったとも。「どんど焼き」「どんと焼き」「さいと焼き」などさまざまな呼び名があります。

 各地の神社などで行われ、門松やしめ縄、だるまなどを積み上げて焼きます。地域によって行う日は異なりますが、14日の夜や小正月の15日の朝に火を焚き始めることが多いようです。焼くことで“年神様を天上に送る”という意味が込められていて、炎が高く上がるほどご利益があると考えられてきました。

 現代では関心が薄くなりつつある年中行事や季節の移ろいですが、本来は小正月の行事をもってお正月が終わります。のちに20日の「骨正月」で締めくくる地域もありますが、いずれにせよ区切りの日を設けて「正月事じまい」をする習わしです。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu