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仕事・人生

女性は転職でキャリアがゼロに…製菓の道で受けた衝撃 人気店が生まれるきっかけに

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

高校の事務員からパティシエールにキャリアチェンジした伊東福子さん。コンクールでの受賞も【写真提供:伊東福子】
高校の事務員からパティシエールにキャリアチェンジした伊東福子さん。コンクールでの受賞も【写真提供:伊東福子】

 家庭では主に女性が料理を担当するのに、シェフや菓子職人にはなぜか男性が多いという不思議があります。「好きなことを仕事にしたい」と飛び込んだ製菓業界。しかし、女性がキャリアを究めづらいという現実に直面した経験を持つのが、兵庫県芦屋の人気店「ポッシュ・ドゥ・レーヴ芦屋」を営む伊東福子さんです。連載「私のビハインドストーリー」の今回は、伊東さんが開業を決意した背景や芦屋から発信する新しい働き方について話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

コンクールで入賞しても職場が変われば下積みに逆戻り

 高校の事務員からキャリアチェンジをし、パティシエールの道を歩み始めた伊東さん。料理専門学校「ル・コルドン・ブルー」の東京校を卒業した後は、個人店や東京のホテルで修行を積みました。一方で、2006年には日本最大級のコンクール「ジャパンケーキショー東京」のコンフィズリー&クッキー部門で連合会会長賞を受賞するなど、その腕は周囲からも認められるものになっていきます。

 そんな中、夫の仕事の都合で地元・兵庫に戻ると、転職先のホテルで大きな衝撃を受けたそうです。

「東京で積み上げたキャリアがゼロになり、また下積みから始まることになったんです。これは私に限ったことではなく、女性はキャリアを積んだ職場から離れると、またゼロからのやり直し。男性と同じように若い頃からしんどい思いをして、夜遅くまで働いて技術力を磨き、コンクールで賞を獲っても、積み上げたものがゼロになってしまう。

 振り出しに戻った感じや、主要な仕事は任せてもらえない物足りなさもあって、キャリアを積み上げた女性が働ける職場がないのであれば、自分で作ってしまおうと開業することにしました」

「ポッシュ・ドゥ・レーヴ」、日本語で「夢のポケット」と名付けた自身の店【写真:Hint-Pot編集部】
「ポッシュ・ドゥ・レーヴ」、日本語で「夢のポケット」と名付けた自身の店【写真:Hint-Pot編集部】

 女性の場合、出産で離職を余儀なくされることもあります。出産を終え、復職や再就職を考えても、またゼロから積み上げなければいけないとなれば、二の足を踏む人も少なくないでしょう。女性が積み上げたキャリアを継続し、家庭や子育てと両立できる場があれば、仕事に戻る人も増えるはず。新しい働き方を作り、発信していきたいと考えた伊東さんは、店名にもその思いを込めました。

「ポッシュ・ドゥ・レーヴ(夢のポケット)の『ポッシュ』には『ポケット』と『絞り袋』という意味があります。女性たちが輝ける場になるように、絞り袋で夢を形作っていく、という意味も込めました。もちろん、女性しか採用しないわけではなく、一緒に働く男性にも理解を示してもらえるようになるといいなという思いです」

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