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オミクロン株への対応が急速に進むスペイン 検査キットの高額販売も社会問題化

公開日:  /  更新日:

著者:山本美智子/Michiko Yamamoto

抗原検査キットが通常の3倍以上の値段でネット販売されて社会問題に

一時は高額で販売されていた抗原検査キットも今では安価で手に入るように【写真:山本美智子】
一時は高額で販売されていた抗原検査キットも今では安価で手に入るように【写真:山本美智子】

 そんな中で、いくつかの問題も発生しました。年末年始には抗原検査を義務付けられる人たちも多かったのですが、検査キットが売り切れたり、逆に高値で売られたりという騒動も。抗原検査キットは薬局での販売価格が8~10ユーロ(約1040~1300円)ほどでしたが、ネットでは一時3倍以上の値段で販売されていました。

 そのため、政府は販売価格に上限を設けると発表。今月15日から2.94ユーロ(約380円)とし、格安で手に入るようになりました。抗原検査キットは今後、薬局だけでなく大型量販店などでも販売されるようになるとのこと。身近で気軽に購入できるように配慮されています。

 クリスマス休暇も終わり、昨年まではリモート授業がほとんどだった学校でも、今年は新型コロナウイルスとの共生が始まっています。しかし、こちらも自治体によって対応は異なっています。

 マドリードでは、ワクチン接種なしの12歳以下の小学生が濃厚接触者になっても、隔離措置をとらないことが決まりました。また、13歳以上の中学生の場合は1週間の隔離措置になり、2週間だった昨年との比較では半分に短縮されています。一方、カタルーニャでは個別の隔離措置こそ行いますが、クラス全体の20%、または1クラスに5人以上の陽性者が出ない限りは学級閉鎖しません。

 スペインにおける“第6波”はあと1週間以内、つまり今月中にはピークに達する予定だと報道されています。周囲の欧州各国を見ても収束にはほど遠く、“withコロナ”の生活が続く見通しです。

(山本美智子/Michiko Yamamoto)

山本美智子(やまもと・みちこ)

東京生まれ。清泉女子大学でスペイン語を専攻した後、外資企業の総合職に就職も、一度は海外に住みたいとの夢を捨て切れず、バルセロナ大学へ語学留学。現在はスペイン独立主義の伴侶とともに、バルセロナ郊外で生活中。日本のメディア及び地元のサッカークラブ向けの翻訳、通訳、執筆、取材、コーディネーション、インタビューなどのサービスに従事。最近の趣味はヨガと料理。癒やしは保護センターから引き取ってきた2匹の猫。