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米倉涼子の「新聞記者」 これまでの役と違って見える理由とは 静かで圧倒する演技
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今年で47歳を迎える米倉涼子さん。推しも推されぬ人気俳優として知られていますが、ブロードウェイミュージカルへの挑戦や洋画の吹き替えなど、果敢な挑戦を繰り返しています。そのアグレッシブさこそ常に輝きをもたらす理由なのかもしれません。そんな米倉さんの新たな挑戦は、ネットフリックスシリーズ「新聞記者」。配信開始直後から「今日の総合TOP10(日本)」で1位を獲得した話題の作品において、米倉さんはどのような演技を見せているのでしょうか。またその根幹にあるものとは? まだまだ可能性を押し広げ続ける米倉さんについて、映画ジャーナリストの関口裕子さんに解説していただきました。
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“目指して取りに行った”役の数々 アグレッシブな俳優人生
昨年末まで放送されていた大ヒットドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)の第7シリーズで、クールな一匹狼の天才外科医・大門未知子を演じた米倉涼子。2014年10月期の第3シリーズでは最終回が何とシリーズ最高の視聴率27.4%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)を記録し、大門の決め台詞である「私、失敗しないので」を地で行く人気を見せつけたこともある。
そんな米倉が主演し、話題を呼んでいるのがネットフリックスシリーズ「新聞記者」。2019年の映画版同様、監督は藤井道人が務めた。森友学園問題をモチーフにしたヒューマンドラマで、米倉は「東都新聞」の記者、松田を演じている。
米倉は高校時代の1992年、友人の応募で「第6回全日本国民的美少女コンテスト」を受けた。結果は審査員特別賞。モデルとして活躍後、1999年に「女優宣言お披露目発表会」を行い、演技の仕事にシフトした。2000年のドラマ「恋の神様」(TBS系)で演技に開眼。リハーサルまでは優しかった木村佳乃に本気で叩かれて、演じることの難しさと面白さを味わったのだそう。
真田広之扮する洋介の若い妻、ひかるを演じた2001年の「非婚家族」(フジテレビ系)では、ミュージカルにシェイクスピア、舞台、ドラマ、映画とジャンルを問わずこなし、今や世界で活躍する真田からの薫陶も受けた。
5歳からクラシックバレエを習っていた米倉。2008年にミュージカル「シカゴ」(日本語版)に主演し、後に本拠地の米ブロードウェイでも舞台を踏んだ。「シカゴ」をはじめ『アベンジャーズ』シリーズでブラック・ウィドウの日本版吹き替えキャストを獲得したのも、「ドクターX」の大門未知子役も“目指して取りに行った”結果なのだろう。でも、今回の松田記者はこれまで米倉が演じてきた役とは少し異なる。