仕事・人生
“かわいい×農業”を発信する農業女子 「自分のスタイルは外せない」理由とは
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全国に広がりを見せる“農業女子” SNSでの発信力も大きく
景井さんが貫くスタイルは多くの若い女性たちから共感を得ました。インスタグラムなどSNSを中心に“農業女子”という言葉を頻繁に見かけるようになった昨今、景井さん自身も「『農業女子をやっている私もいいよね』といった風に前向きで楽しい発信をする方が一気に増えたなあ」と実感しているそうです。
「私が『農業女子プロジェクト』に参加したのは5、6年前だったと思うのですが、そこから“農業女子”という言葉が全国に広がっていって、今ではもうずいぶんと認知されるようになってきたと感じています」
そして、SNSの力も大きく、現在は農業のイメージがかなりやわらかくなってきたと感じているそうです。また、SNSを使うことでもっと農業を身近に感じることができるとも。それがSNSを使ったファンコミュニティです。
「SNSを使って一定数のファンを作ることができれば、農家さんのファンになった人は何を作ってもその農家さんから買うのではないかと思うんです。何百人ものファンを集める必要は恐らくなくて、50人くらいいれば自分の農園で採れた分を十分に販売することができる。そんな小さなスタイルの農業ができてくる可能性もあるのかなと思っています」
横のつながりを通じて、さまざまなコラボプロジェクトを行ってきた景井さん。かねてから気になっていたのが、福島を訪れた方が駅前で何か名産物を食べたいと思っても、駅近くには食べられる場所がなかったことでした。
「福島にはこんなに桃があって、畑の隅には廃棄されるぐらいあるのに、どうして駅を降りてすぐに桃を使った料理を食べられる場所がないのだろう?」
そこで、夏の収穫時に畑の隅へ廃棄される桃を使って何か作れないだろうかと考えをめぐらせたり、観光コンベンション協会の方と相談したり。そして「畑にこうした桃がたくさんある」という状況を、つながりのある飲食店の方に見にきていただくことにしました。
すると「すべて料理に使うことができる」と好反応だったそう。農家が商品として出荷することはできなくても、飲食店が調理して提供することは可能。10軒ほどの飲食店に実際の桃を持ち帰ってもらい、どんな料理に姿を変えるのかを試していただきました。
「スイーツ系が多く、おいしいスイーツパフェやスムージーにしていただいたんです。後はピザにも!」
実際に飲食店側の話を聞くことができたことからも、「お互いの状況を理解する意味で、会話はとても大事」と感じたそうです。