仕事・人生
夫の赴任先で絶望…一念発起して税理士になった主婦の思い「自分を助けるのは自分だけ」
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バブル期に大学時代を過ごし、専業主婦を経て、税理士として活躍している板倉京(いたくら・みやこ)さん。テレビ、ラジオに出演し、著書多数と忙しく過ごす板倉さんが資格取得を目指したきっかけは、夫の赴任先で「暇すぎた」ことでした。「全国どこに行っても仕事があり、頑張れば手が届く」と考え、税理士を目指し始めたのは29歳の時。板倉さんはその決断を「間違いなかった」と振り返っています。
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高校生の息子を育てながら代表として働く多忙な日々
主婦で税理士の板倉さんは、忙しい日々を送っています。夫は大阪に単身赴任中で、高校3年生の息子と二人暮らし。子どもの朝食や弁当を作って、東京都千代田区麹町の会社に出勤することから一日が始まります。
今年7月には、経営していた税理士法人を事業譲渡。現在は資産運用や税金・相続などのアドバイスをする「株式会社WTパートナーズ」と、女性税理士のコミュニティである「株式会社ウーマン・タックス」の代表を務めています。午後6時頃まで顧客と向き合い、合間に執筆などを手がける日々です。
「『楽しい』ばかりの大学時代は、こんな未来は想像していませんでした。バブル期の売り手市場で就職活動も『楽しい』という感覚で、運良く安田火災海上保険(現・損保ジャパン)に入社。会社には定年まで働く女性がたくさんいましたし、両親が共働きだったので『自分も定年まで働く』と何の疑問もなく思っていました」
バブル期入社、楽しいOL生活を送るも…3年で寿退社
バブル期末期の1990年4月に入社。配属先は自動車事故の査定部署でした。事故に遭った契約者に代わり過失割合などの示談交渉をする仕事で、やりがいも感じていたそうです。アフター5は大好きな飲み会、休暇には海外旅行と楽しい会社員生活を送っていましたが、板倉さんはわずか3年で同社を寿退社しました。
「社内結婚だったのですが、当時は『社内結婚した女性は退職する』という慣習があったのです。でも、退職日の翌日には、生命保険の営業職として働き始めました。理由は、友人に『保険の営業なら、年収1000万円くらいすぐ稼げるよ』と言われたからでした(笑)」
前職とは異質の仕事でしたが、板倉さんは「年収1000万円!」を目指して頑張り、一定の成績も残しました。しかし、前職のような「お客様の役に立っている」という感覚が得られず、コンサルティング会社へ転職。その矢先に突然、夫が岐阜市に転勤となり、板倉さんはまたも職を失ってしまいました。