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違いが分かる? 豆腐を揚げた油揚げ・生揚げ・がんもどき 大根と好相性の理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

豆腐を揚げたもの それぞれの特徴とは

油揚げ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
油揚げ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 豆腐を揚げて作る油揚げと生揚げ、がんもどき。それぞれの違いは一体どこにあるのでしょうか。順に解説します。

○油揚げ
 薄めに切った豆腐の水分をよく切り、低温の油で揚げて膨化させた後、高温の油でキツネ色に揚げたものです。みそ汁の具材やいなり寿司に使われます。その薄さから薄揚げとも。形は一般的には長方形ですが、三角形もあり地域によって異なります。

生揚げ。厚揚げとも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
生揚げ。厚揚げとも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

○生揚げ
 厚めに切った豆腐の水分をよく切り、高温の油で揚げたものです。炒め物やおでん、煮物に使われます。中は豆腐のようでやわらかく、厚揚げともいいます。使う豆腐は、木綿や絹ごし、豆腐を小さくカットしたものなども。油抜きをして余分な油を取り除いてから調理すると、調味料が染み込みやすく、おいしく仕上がります。

具材が入ったがんもどき(写真はイメージ)【写真:写真AC】
具材が入ったがんもどき(写真はイメージ)【写真:写真AC】

○がんもどき
 水切りして崩した豆腐にすりおろした山芋をつなぎとして加えて練り、野菜やゴマ、昆布、銀杏などの具を加えて丸めて油で揚げたものです。煮物などに使われます。雁の肉に似ていることから名付けられたといわれ、関西では「飛竜頭」と書いて「ひりょうず」「ひろうす」とも。形や具材は地域によって異なり、油揚げと同様に最初は低温の油で揚げ、次に高温の油で揚げる「二度揚げ製法」もあります。

大根おろしを添えて食べたい理由とは?

 それぞれ(油抜きしていないもの、100グラム)の栄養の違いを、日本食品標準成分表2020年版(八訂)で見ていきましょう。

○エネルギー量
油揚げ:377キロカロリー
生揚げ:143キロカロリー
がんもどき:223キロカロリー

○カルシウム
油揚げ:310ミリグラム
生揚げ:240ミリグラム
がんもどき:270ミリグラム

○カリウム
油揚げ:86ミリグラム
生揚げ:120ミリグラム
がんもどき:80ミリグラム

 野菜などの具材が入っているがんもどきなら、豆腐以外の栄養も摂取できます。油揚げはいなり寿司の他、細切りにして砂糖とみりん、しょうゆ、酒などの調味料で味付けすると、ごはんが進むおかずになりますよ。

 いずれも油で揚げているため、脂肪分解酵素のリパーゼを含む大根おろしを添えて食べると良いでしょう。消化を助ける働きが期待できます。鬼おろし器を用いておろしたふわふわザクザク食感の大根おろしもおすすめです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾