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いなり寿司の形は東と西で違う? 2月の「初午」に食べる理由 お稲荷さんとの関係は

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

米の俵かキツネの耳か…東と西のいなり寿司 それぞれの特徴は?

俵型と三角型のいなり寿司(写真はイメージ)【写真:写真AC】
俵型と三角型のいなり寿司(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 古くのいなり寿司は棒状に作られ切って売られていたとの説もありますが、現在の形は東が俵型、西は三角型が主流のようです。形が異なる理由には特に定説がなく、謎も多いそうですが、一般的にいわれている特徴を見ていきましょう。

○俵型
 主に関東で一般的。長方形ともいいます。稲荷神にまつわる米俵に見立てたといわれています。甘からく煮た油揚げを袋状に開いて、そこへごはんを詰めて形を整えます。詰めるごはんは酢飯にすることが多く、具材はないか、あってもゴマなどシンプルなものが多いようです。

○三角型
 主に関西で一般的。「キツネの耳の形」や「稲荷山」に見立てた説があります。油揚げの味付けは薄めにして、詰めるごはんの方に煮たシイタケや野菜、ひじきなど味のついた具材を混ぜることが多いといわれています。

 2月は節分の恵方巻や豆まきの方が広く知られているため、初午と聞いてもあまりなじみがない人は多いでしょう。この機会に由来を知って、縁起をいただいてみませんか。

【参考】
「有職故実から学ぶ 年中行事百科」八條忠基著(淡交社)
「日本のしきたりがまるごとわかる本」新谷尚紀監修(晋遊舎)
農林水産省ホームページ「うちの郷土料理 あぶらげずし/いなりずし」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/aburagezushi_aichi.html
笠間稲荷神社ホームページ「稲荷神社とおキツネさん」
http://www.kasama.or.jp/history/index3.html

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu