お金
売れっ子税理士・板倉京が教える「毎日100円投資」の利点 老後のために始めるなら
公開日: / 更新日:
低リスク? 初心者に「積立投資」がおすすめな理由
では、具体的にどう始めればいいのか。その答えは「積立投資」。「積立投資」は「リスクを減らしてくれる」「ほったらかしでいい」初心者におすすめの投資方法です。
投資の基本は「安く買って高く売る」です。でも、いつが安くていつが高いかなんて分かりません。一気に資金投入した途端に相場が崩れてしまったら目も当てられませんよね。
それに対して「積立投資」は、定額を積み立て続ける投資方法。「ドルコスト平均法」と称され、理に適った方法でもあります。毎月(毎日でも毎週でもできます)一定額、例えば3万円ずつというように金額を決めて投資するのです。
同じ金額を投資し続けることで、価額が1口1万円の時には3口購入、値が大きく下がり仮に半分の1口5000円の時には6口購入というように、値が下がった時にはより多くの口数を購入することができます。そのため、値が下がった時ほど資産を増やすチャンスだと思えるのが、この方法の面白いところです。
このように、安値でも高値でも一定額を買い続けることで購入価格が平均化され、その結果リスクを減らし、安定的に運用益を得ようという方法です。この方法を利用したお得な制度が「iDeCo」と「つみたてNISA」。これらの制度については、また次回以降紹介していきます。
外でコーヒーを1杯飲んだつもりで 「毎日100円積立投資信託」のすすめ
リスクを減らすもう一つの方法「分散投資」をするために、おすすめなのが「投資信託」です。投資信託とは、さまざまな投資商品を組み合わせて作られた金融商品で、プロが組み合わせを考え、分散投資をしています。分散投資していれば、ある商品が値下がりしても、別の商品でカバーしていくことが可能となるので、リスクを減らす効果があるといわれています。
以上を踏まえて「怖い思いをせず、投資を始める」ためにぴったりなのは、少額からはじめて投資に慣れることができる「毎日100円積立投資信託」です。
ネット証券に口座を作って、「どの投資信託に積み立てるか」と「積立金額をいくらにするか」を決めて設定したら、あとは放っておくだけ。その後は、決めた通りに毎日積み立てられ運用してくれます。100円単位の少額で始められるので、万が一損をしても怖くありません。
毎日であっても100円なら、外でコーヒーを1杯飲んだと考えれば安いものだと思いませんか? また、運用状況はいつでもスマホやパソコンで確認できます。私もやっていますが、積み立てた金額と運用益などを見るのが楽しみになるかも。楽しくなってきたら、徐々に金額や投資先を広げていくと良いでしょう。
資産運用を始めるならば、まずは無理のない金額で「100円積立投資」から始めてみてください。
(板倉 京)
板倉 京(いたくら・みやこ)
1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。