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ハマグリはなぜ“縁起が良い”のか? ひな祭りなどに欠かせない理由 気になる栄養価は

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

注目すべき栄養 おいしい食べ方

ハマグリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ハマグリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ちょうどひな祭りの頃に出回るハマグリは、身がぷりぷりとしておいしいといわれています。旨味成分コハク酸も増え、身がふっくらと大きくなるのが貝の旬。魚の旬は脂がのって脂質が多くなりますが、旬の貝は成分に変動があまり見られません。魚に比べると炭水化物が多く、動物でんぷんとも呼ばれる炭水化物のグリコーゲンが味に持続性とコク、まろやかさを与えています。

 日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に、ハマグリ(可食部、生)100グラム(1個目安7~25グラム)を魚類の代表黒マグロ(養殖、赤身、生)100グラムと比較してみましょう。

○エネルギー
ハマグリ:35キロカロリー
黒マグロ:153キロカロリー

○タンパク質
ハマグリ:6.1グラム
黒マグロ:24.8グラム

○脂質
ハマグリ:0.6グラム
黒マグロ:7.6グラム

○炭水化物
ハマグリ:1.8グラム
黒マグロ:0.3グラム

○鉄
ハマグリ:2.1ミリグラム
黒マグロ:0.8ミリグラム

○カルシウム
ハマグリ:130ミリグラム
黒マグロ:3ミリグラム

○亜鉛
ハマグリ:1.7ミリグラム
黒マグロ:0.5ミリグラム

 ハマグリは、鉄、カルシウム、亜鉛といったミネラルが豊富です。また肝機能を高め、コレステロールや中性脂肪、血圧の調整が期待できるタウリンも含まれています。タウリンは水溶性なので、汁ごといただくお吸い物や酒蒸しで食べるのが良いでしょう。

砂抜きをしたら、塩抜きも

ハマグリの砂抜きは塩水で(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ハマグリの砂抜きは塩水で(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ハマグリをおいしく食べるために「砂抜き」と「塩抜き」をしましょう。

【塩抜きの方法】
1. バットなどの容器に水500ミリリットルと塩大さじ1の塩を加えて塩水を作る
2. 1にハマグリを数時間浸す

 冷蔵庫に入れる場合は、必ず容器にアルミホイルなどでフタをしてください。ハマグリは塩抜きの途中で液体を吐き出すため、フタをしないと水浸しになることがあります。さらに、液体が他の食品にかかると、食中毒の原因になるともいわれているからです。

 砂抜きをしたら、続けて塩抜きもしましょう。砂抜きに使った容器から塩水を除き、ハマグリを並べてしばらく置くだけです。ハマグリが吸った塩水を吐き出しますから、この時もフタを忘れずに。ひと手間かけて本来の旨味を味わいましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾