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留学の人気国オーストラリア 外国人の受け入れを再開 背景にある政府の思惑とは

著者:守屋 太郎

コロナ禍のオーストラリアで留学生活を続ける日本人の皆さん【写真提供:La Lingua Language School】
コロナ禍のオーストラリアで留学生活を続ける日本人の皆さん【写真提供:La Lingua Language School】

 海外留学先として、日本人からも人気のオーストラリア。同国は21日から条件付きで海外からの入国規制を撤廃し、外国人の積極的な受け入れへ舵を切りました。2年以上続くコロナ禍で、現地の留学生を取り巻く状況はどのように変化したのでしょうか? 現地在住ジャーナリストの守屋太郎さんが、「コロナ禍におけるオーストラリア留学の現状」を2回にわたってリポートします。今回の前編は、同国の留学事情と規制撤廃へ踏み切った背景についてです。

 ◇ ◇ ◇

2年ぶりに“鎖国”を解除 コロナ禍前は日本人の留学先として高い人気

 オーストラリア政府は2月21日から、新型コロナウイルスワクチンの完全接種者を対象にすべての国・地域からの入国規制を撤廃。経済再開を優先すべく、約2年ぶりに“コロナ鎖国”をやめました。

 赤道を挟んで日本から反対側の南半球にあるオーストラリアは、人の交流や貿易を中心に日本との絆が深い親日国。現地に住む邦人の数は米国、中国に次いで3番目に多く、コロナ禍前は留学先としても高い人気がありました。

 留学生に支持される理由としては、「主な英語圏の国の中では日本から最も近い」「温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれている」「治安が比較的良い」といった点が挙げられるでしょう。

 留学に必要なビザは、主に2種類あります。政府認定の学校に3か月以上通うための「学生ビザ」と、働きながら滞在や旅行ができる「ワーキングホリデー(ワーホリ)ビザ」(1年間有効。遠隔地の農場などで一定期間、仕事をすれば最大3年まで延長可)です。他に、観光ビザ(3か月間有効)でも短期留学やホームステイ体験は可能です。

2021年の日本人留学生は5612人 コロナ禍前から半減

 コロナ禍前の留学生受け入れ状況を見てみましょう。オーストラリア教育省によると、コロナ禍前の2019年に学生ビザでオーストラリアに留学していた日本人の数は1万2702人と国別で16位。人口が多い1位の中国(21万1965人)や2位のインド(11万5094人)などと比べて多くはありません。

 一方、日本の留学斡旋会社が加盟する「海外留学協議会」(JAOS)によると、2019年における日本からオーストラリアを留学先に選んだ人の数(学生ビザ以外も含むオーストラリア教育省とは別の統計)は1万6426人と全体の20.4%。1位の米国に次いで2番目に多くなっています。

 つまり、「オーストラリアの留学市場全体に占める日本人の割合は小さいものの、日本からの留学先としてオーストラリアの人気は非常に高い」といえるのです。

 しかし、パンデミックによってオーストラリア政府は2020年3月以降、国境を封鎖し、新規のビザ発給も停止。2021年の時点でオーストラリアに学生ビザで滞在していた日本人留学生の数は5612人(オーストラリア教育省)とコロナ禍前の半分以下に減りました。

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