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関西と関東で違うひなあられ 甘いのはどっち? 赤・白・緑に込められた意味とは
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地域によっていろいろ ひな菓子
その他、地域限定といわれるひな祭りのお菓子を紹介しましょう。
○おしもん(おこしもん)、いがまんじゅう
主に愛知県の一部で作られます。おしもん(おこしもん)は、米粉を熱湯で練った生地を分けて数色を混ぜ込み、それぞれを型にはめて作るものです。ひな人形にお供えした後は砂糖じょうゆにつけたり、焼いたりして食べます。
いがまんじゅうは、あんを米粉で包み、表面に着色したもち米をつけたもの。ピンクは桃の花、黄色は菜の花、緑色は新芽を表しているといわれています。
○ひちぎり
京都のお菓子で、漢字では「引千切」と書きます。餅とあんで作られていますが、引きちぎるようにして作られたのがその名の由来とか。淡い緑色に餅をひしゃくのような形にして、その上に桃色のあんをのせるタイプが一般的です。
○おいり
鳥取県の一部で食べられ、香川で婚儀に使われる菓子「おいり」とは別物です。こちらのおいりは干した米を炒り、水飴を絡めて丸く形を整えたもの。ショウガ汁を加えるものもあります。元々は残りごはんを無駄にしないために各家庭で作られた菓子ですが、ひな祭りに欠かせない郷土菓子として知られています。
【参考】
「生活学Navi 資料+成分表」(実教出版)
農林水産省「うちの郷土料理」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/oshimon_aichi.html
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/oiri_tottori.html
(鶴丸 和子)
鶴丸 和子(つるまる・かずこ)
和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu