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からだ・美容

春に眠くなる理由とは ぐっすり眠るには物理的に“頭を冷やす”  考え事を収める効果も

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

教えてくれた人:西谷 綾子

安眠を妨げる要素 花粉症や新生活による緊張も

 春は花粉症のシーズンでもありますよね。鼻呼吸には、鼻の奥に通っている血管を冷やし、血液の温度を下げる作用があります。さらに、温度の下がった血液が脳を回ることによって脳の温度も下げ、眠くなりやすくするわけです。

 逆に、鼻の通りが悪いと脳の血管を冷ます作用が低下し、脳の温度は高いまま。そのため、寝つきが悪くなったり、浅い睡眠になったりします。

 ぐっすり眠るためには脳の温度を下げることが必要です。そうした時は耳より上の部分、頭をダイレクトに冷やしてあげると脳の温度が下がり、眠りやすくなります。また、冷やして脳の温度を下げることで代謝が減速され、頭の中をぐるぐるとめぐってしまう悩み事や考え事もいったん収める効果が期待できるでしょう。それだけでも睡眠の質は上がるかもしれません。

 眠くなりがちな春ですが、環境や生活リズムの変化から知らずのうちに体と心が緊張して眠れない……という日もあるでしょう。新しいことや暮らしがスタートしたり、いろいろな人に出会ったりすると、交感神経が高まることが多いためです。

 体としては副交感神経が優位になりますが、身の回りの出来事からは交感神経が高まって緊張しやすい季節ともいえます。そんな時は無理をせず、仙骨を温めたり眠る1時間半前に入浴したり、副交感神経を優位にする行動を心がけましょう。

(関口 裕子)

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

1986年4月4日、鳥取県生まれ。小学校3年生からバスケットボールを始め高校時代にはインターハイ・ウィンターカップ3年連続出場。モデルの仕事でランニングと出合い、2009年から本格的なトレーニングを開始。10年に初フルマラソンで完走し、16年の東京マラソンで3時間1分32秒という自己ベストを記録した。怪我をしないランニングライフを推奨した講習会や、睡眠改善インストラクターの資格を生かした「上手に寝て、健康になる」講演会を開催中。