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おにぎりに電車のイラスト 息子のため描き続けた母に約5万人感動「本当の食育」

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著者:Hint-Pot編集部

これまで描いてきた電車は何と45種類 会社ロゴも再現 色にもこだわり

電車のフォルムだけでなく会社のロゴも再現。モノレールもレパートリーの一つ【写真提供:海岸真紀子(@makikoumigishi)さん】
電車のフォルムだけでなく会社のロゴも再現。モノレールもレパートリーの一つ【写真提供:海岸真紀子(@makikoumigishi)さん】

「本の中に『おにぎりのラップに動物の顔を描き、簡単アレンジ』というのが載っていました。これならペンさえあれば、それほど手間と時間をかけずに息子の大好きな電車を描けると。しかも、日替わりでいろいろな電車を描けば、飽きずにお弁当の時間を楽しめるはずだと考えました」

 一見大変そうに見える作業ですが、絵を描くことを生業にしている海岸さんにとっては1個あたり10分程度で完成できるもの。こうして“電車おにぎり”を持たせ始めたところ、息子さんの様子は一変したそうです。

「ほぼ毎日、お弁当を完食するようになりました。息子の場合、電車のシルエットが見えたり音が聞こえたりするだけでも気分が上がるようなので、食事に対してのやる気を出すきっかけになったのかなと。幼稚園から帰った後、その日のおにぎりに描かれていた電車をクレヨンでひたすら描いていたりするので、“電車を描きたい”という気持ちに刺激を与えているのかなと思ったりもします」

 最初のうちは、登園前にイラストを見せて幼稚園へ行くモチベーションを上げるためにも使っていたそう。そのおかげもあって、息子さんは幼稚園が大好きになり、お弁当も1人で楽々と完食できるようになりました。「今では、もはや私が描きたくて描いているだけかもしれません」と海岸さんのモチベーションにも変化があるようです。

 これまで描いてきた電車は45種類で、延べ75回。同じ鉄道会社でも新型、旧型、ラッピングトレインなどの種類があって、それらを描き分けています。

 中でもこだわっているのは電車の色。ペンのインクを混ぜる作業も厭わずに行い、山手線の鮮やかな黄緑色などを忠実に再現しています。その完成度の高さから、今では幼稚園の先生たちからも「今日は何の電車かな」と注目されるようになったのだとか。

 なお、海岸さんがイラストを描く際に使用しているのは「ラップ専用ペン」です。一見、にじみにくくて良さそうな油性ペンは、ラップに浸透してインクが中身に移ってしまったり、成分が揮発したりすることを考えると危険といわれているため、注意が必要です。

「お弁当作り一つとっても、子育ては大変なことが次々に起こるなと思います。息子がお弁当を楽しく食べられるようになった理由も、お弁当の中身だけではなく、幼稚園の先生方の上手な声かけや楽しい雰囲気作り、お友達の励ましなど、多くの人に助けられたからだと思います」

 最後には周囲への感謝も語った海岸さん。息子さんのために描くこだわりの電車イラストは、今後もどんどん増えていくでしょう。

(Hint-Pot編集部)