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フキノトウとフキ 名前が異なる理由は食べる部位の違いから 苦味成分の正体とは?

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

春を代表する山菜フキノトウ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
春を代表する山菜フキノトウ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 春を代表する山菜の一つといえばフキノトウ。独特の香りと苦味が特徴です。その他にも今の季節は、コゴミやタラの芽、山ウドなど、芽吹いた山菜の数々を店頭で見かけることが多くなります。食卓の主役になる機会は少ない食材ですが、日本原産のフキノトウについて栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

天然のものは3月頃が旬 フキとの関係は?

 フキノトウは日本原産のキク科の多年草で、フキの花蕾です。天然ものは2~3月が旬とされていますが、日本の南では1月頃から採れる地方も。また、北国では雪解けとともに収穫されます。花が開いているものではなく、まだ閉じたつぼみを天ぷらやフキみそなどにしていただきます。

 フキが生えてくるのは、フキノトウの花が咲き終わる頃。地面の下に伸びる地下茎から別に生えてきます。50センチ~1メートルほどの長い茎(葉柄)の先に大きな葉をつけます。葉柄を佃煮風に、また煮たり炒めたりして食べるのが一般的です。

 つまり、フキノトウとフキは、同じ植物ですが食べる部位が異なるもの。芽吹いたばかりのフキノトウは表面に白い綿毛が生えた緑色のがくに包まれていて、その中に多くのつぼみが詰まっています。フキよりも栄養価が高く、平安時代から野菜として栽培されていたといわれるほど、日本では古くから春を味わう食材でした。

「春の皿には苦味を盛れ」 苦味成分や栄養とは

花が咲いたフキノトウと葉のついたフキ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
花が咲いたフキノトウと葉のついたフキ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 冬眠から目覚めたクマは、フキノトウを真っ先に食べると伝えられています。冬眠中に体内に溜まった老廃物を排出させる目的などがあるそうです。

 そんなフキノトウには、造血作用や貧血予防が期待されるビタミンB群の葉酸をはじめ、余分な水分と塩分を排出させる働きがあるカリウムが含まれます。食物繊維も豊富なので、便秘が気になる人にも良いでしょう。また、血糖値が上がりにくいメリットも期待できます。

 特徴である独特の苦味は、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種で花粉症予防に期待できるフキノール酸や、抗アレルギー効果のケンフェロールなどによるものです。またペタシンと呼ばれる成分も含まれており、最近ではがん細胞の増殖を抑制する研究が注目を浴びました。

 ただし、フキノトウには肝毒性が強いとされる天然毒のピロリジジンアルカロイド類も含まれています。えぐみや苦味があるので多く食べられるものではありませんが、一度にたくさん食べないように気を付けてください。季節限定の食材として適量をいただきましょう。

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