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ホウレン草の“アク抜き”はなぜ必要? ビタミンAの吸収率を上げる食べ方とは
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教えてくれた人:和漢 歩実
「緑黄色野菜の王様」と呼ばれるほど、栄養が豊富な野菜として知られるホウレン草。現在は通年で出回っていますが、冬の冷え込みで甘味が増しておいしいものは今が旬です。また、捨ててしまいがちな根元の赤い部分には、栄養がたっぷり含まれていることをご存じですか? 今さら聞けないホウレン草について、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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アニメがきっかけで人気に? 日本での歴史は浅い
ホウレン草の原産地は西アジア付近で、栽培はペルシャで始まったとみられています。日本には江戸時代の頃に中国から東洋種が伝来。「唐菜」と呼ばれていたとか。江戸時代末期には西洋種も入ってきましたが、アクが強いことからあまり食べられなかったようです。
日本上陸当初はさほど人気がなかったようですが、一説によると注目が集まったきっかけは、1950年代後半から日本で放送された米国のアニメ「ポパイ」だったとか。缶詰のホウレン草を食べると、主人公の小柄なポパイがパワーを発揮してライバルをやっつけるという描写から、栄養の高い野菜として広く知られるようになったとも言われています。
東洋種は葉にギザギザとした切り込みがあり、葉肉が薄く根が赤いのが特徴。西洋種は葉が丸く、葉肉が厚めです。東洋種の方がアクは少なく、甘味があるといわれています。
現在は、品種改良が進み、えぐみが少なく食べやすい品種も出てきました。東洋種と西洋種をかけ合わせた一代雑種や、サラダなど生食用に改良されたアクが少ないサラダホウレン草もあります。