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まるで宝石! 山形の老舗和菓子店が作る菓子に8.4万人衝撃 「幻想的で神秘的」
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跡継ぎに感じた大きな重圧 8代目になると「ちょっと自由」な和菓子作りを実践
佐藤さんは「乃し梅本舗 佐藤屋」の8代目店主として、あっと驚く商品を作り出しています。しかし、有名店の跡継ぎになることへの大きな重圧から、かつては店を継ぐことに後ろ向きだったそう。
そのため、大学は実家から遠く離れた鳥取大学へ進学。スポーツの能力を生かして同大学に進学しましたが、進学先選びには「山形からアクセスが一番悪く、老舗の銘菓に触れる機会が少なそうなところに行きたい」という思いもあったそうです。
ただ、就職というステージを前にした時、心境に大きな変化が訪れました。
「就職を考えるタイミングで、2人いる弟たちがリアルな未来の話をするのを見て、スポーツで食べていければと何となく思っている自分が恥ずかしく思えたんです。そこで『じゃあ俺が(店を)継ぐ』と消極的な理由で跡継ぎになることを決めました」
跡継ぎになった当初は「あまりやる気はない感じでした」と語る佐藤さん。それでも、仕事を続けていく中である時ふと、和菓子作りに大きな疑問を抱きます。
「和菓子というと、伝統的なものをずっと作り続けることが当たり前だと思われていると感じていました。その一方で、今の感性を取り入れたものを作っていかなければ、現代に再評価してもらえず、伝統も続かないんじゃないかという焦りも覚えました」
そう考えた佐藤さんは、10年前から視覚的な美しさやデザイン性を追求した和菓子作りに挑戦。「和菓子をちょっと自由に」をモットーに、現代の感覚で新しい和菓子を作る方向へ進んでいくことにしました。
「素材や製法には自由さを取り入れつつも、和菓子の特徴である『菓銘』(練りきりなどの意匠に対して付けられる和菓子独自の名称)が付いた伝統的な菓子へのこだわりは捨てないなど、縛りのある中での自由さを楽しんでいます」
「和菓子って面白いなと思ってもらえるような菓子を作りたい」
企業とのコラボ商品に加え、洋菓子のエッセンスを取り入れた“ネオ和菓子”も製作するなど、挑戦を続ける佐藤さん。「今は天職」と話す和菓子作りにかける思いをこう語ります。
「自分たちがおいしいと思うものを自分の家族にも食べさせたいと思える品質で作ることを重視し、『当たり前のことを当たり前に』を日々大事にしています。私たちの菓子を通して、和菓子って面白いなと思ってもらえるような菓子を作り、楽しんでもらえる場面を作っていけたらと思っています」
お客様の「おいしい、楽しい」といった声は、佐藤さんが挑戦を続けるバイタリティになっています。さらに、SNSの反応も大きく寄与しているのだとか。
「SNSで『昔から知ってる山形の店が頑張ってて評価されるのうれしい』なんてツイートを見かけてうれしかったです。また、催事の現場でもそういったお声をかけていただけることも。そうすると、山形という土地の良さや持っている力が評価してもらえているようで喜ばしく、もっと頑張ろうと思います!」
従来の概念にとらわれず、新しい感性を伝統ある世界にもたらす「乃し梅本舗 佐藤屋」の和菓子。これからも佐藤さんが作る和菓子から目が離せませんね。
(Hint-Pot編集部)