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イチゴのヘタ 洗った後に取るべき理由とは ミカンやリンゴより豊富なビタミンCも
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教えてくれた人:和漢 歩実
圧倒的なビタミンC カロリーは低め?
イチゴの代表的な栄養素として、ビタミンCが挙げられます。人気のミカンやリンゴと比べてもたっぷりと含まれていることが分かります。それぞれの栄養価(100グラムあたり)を日本食品標準成分表2020年版(八訂)より見ていきましょう。
○エネルギー量
イチゴ:31キロカロリー
ミカン:49キロカロリー
リンゴ:53キロカロリー
○ビタミンC
イチゴ:62ミリグラム
ミカン:32ミリグラム
リンゴ:4ミリグラム
○葉酸
イチゴ:90マイクログラム
ミカン:22マイクログラム
リンゴ:2マイクログラム
エネルギー量が低く、ビタミンCが非常に多く含まれていることが分かります。ビタミンCはコラーゲンの生成に必要なもので、血管や皮膚などを丈夫にして美肌をサポートする効果が期待できます。中粒の重さを15グラムとすると、厚生労働省が推奨する成人1日分のビタミンC摂取量(100ミリグラム)に達するのは約11粒です。
その他にも、多く含まれる葉酸は造血作用と貧血予防が期待できます。とはいえ、何にでも言えますが食べすぎには注意。今がおいしい季節のものを適度に楽しみましょう。
ヘタを取るのは洗う前? 後? 自家製ジャムも美味
目の働きを高め、眼精疲労の予防に注目されるアントシアニンも含まれているイチゴ。水溶性の成分なので、ヘタを取ってからイチゴを洗うと栄養素が流出してしまいます。ヘタは取らずに洗って、洗った後に取る方が良いでしょう。
またイチゴには食物繊維の一種ペクチンも含まれています。ペクチンは血糖値やコレステロールの調整、腸内環境を整えるなどが期待される成分で、酸や糖と一緒に加熱するとゲル状(ゼリー状)になります。それを活用したものがジャムです。
店頭でおつとめ品などの小さめなイチゴを見かけたら、自家製ジャムにしても良いでしょう。加熱でビタミンCが多少減ってしまいますが、旬の味を凝縮したおいしいジャムが手軽にできます。
ジャムを作るには、洗ってからヘタを取ったイチゴと果実重量の50%量の砂糖とレモン汁適量を鍋に入れ、水分がなくなる少し手前まで加熱します。砂糖の量を50%未満にすると保存がききません。
また水分がなくなるまで加熱すると、冷めた時に飴状になってしまうので、手前で火を止めることがポイントです。価格が安い今の時期に作り置きしておくのもいいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾