Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

海外ニュース

ポストコロナの海外生活 オーストラリアが誇る魅力とは 出社前にサーフィンも可能

公開日:  /  更新日:

著者:守屋 太郎

移民を集める多文化国家 世界中の多様な文化も楽しめる

 街の中で手軽に“海外旅行”が味わえるのも、オーストラリア生活の大きな魅力です。

 オーストラリアはヨーロッパ人の入植から約230年、英国植民地から独立して約120年という若い国。かつてはヨーロッパ系移民しか認めない「白豪主義」を採用していました。しかし1970年代になると、人種を問わず世界中から移民を受け入れる「マルチカルチュラリズム」(多文化主義)に方針を転換。多様な文化を取り入れることで、国を発展させてきました。

色鮮やかなトロピカルフルーツが並ぶ、シドニー西郊のベトナム人街カブラマッタの八百屋【写真:守屋太郎】
色鮮やかなトロピカルフルーツが並ぶ、シドニー西郊のベトナム人街カブラマッタの八百屋【写真:守屋太郎】

 例えばシドニーは現在、人口の4割以上が海外生まれ。オーストラリア人といえば「金髪の白人」と考えがちですが、それは移民が多い大都市なら過去のイメージです。その実態は各国・地域の出身者が地域コミュニティを形作る「モザイク社会」。それぞれの民族グループの中心の町に行くと、本場の料理店や食材、グッズなどを売る店が軒を連ねています。

「フォー(ベトナムの汁麺)が食べたくなればベトナム人街、本場のイタリア料理やスイーツならイタリア人街の『リトル・イタリー』、焼肉は韓国人街の『コリアンタウン』という風に、世界中を食べ歩くことができます。珍しい食材を家に買って帰り、食べたことのない料理を作ってみるのも楽しいですよ」(30代のオーストラリア人女性)

 どこかでは毎週のように、各国の記念日や年中行事を祝う祭りも開かれています。民族音楽や踊り、衣装、映画などが披露され、各国のストリートフードの屋台が並び、知らない文化に触れたり、未知の料理に挑戦したりと新鮮な体験が可能です。

 次回は、滞在に必要なビザの種類、渡航手続き、オーストラリアでの生活を始める上での心がまえなど、具体的な準備について説明します。

※11日15時20分に記事の一部を修正しました。訂正してお詫びします。

(守屋 太郎)

守屋 太郎(もりや・たろう)

1993年に渡豪。シドニーの日本語新聞社「日豪プレス」で記者、編集主幹として、同国の政治経済や2000年シドニー五輪などを取材。2007年より現地調査会社「グローバル・プロモーションズ・オーストラリア」でマーケティング・ディレクター。市場調査や日本企業支援を手がける傍ら、ジャーナリストとして活動中。