一度は「無理」と思いながらも保護を決意

　キュートな表情で話題のてつおくんは、元野良ねこです。飼い主さんに保護されたのは、1年半ほど前のことでした。

「ある日、夫から『痩せてガリガリのねこがかわいそうだから保護したい』と連絡がありました。てつおは夫が行きつけの居酒屋近くに住み着いており、初めて出会った時に人懐っこく寄って来るのを見て、放っておけなかったようです」

　とはいえ、飼い主さんのお家には「マリー」ちゃんという先住ねこがいます。マリーちゃんもバス停近くに捨てられていた元保護ねこ。飼い主さんは、マリーちゃんとてつおくんが仲良くなれるか分からず、また2匹を育てることに自信がなかったので、一度は「保護は無理」と伝えたそう。

　しかし、配偶者さんから送られてきた動画に映るてつおくんを見ると、「保護しなくちゃいけない」と思い直しました。そして、すぐさま車で現場に向かったのです。

「運命の出会いでした（笑）。保護時のてつおは推定3歳くらいだったので、過酷な野良時代を3年間も過ごしていたかと思うと尊敬しかありません」

　こうして迎え入れられたてつおくんは、野良ねこだったとは思えないほどとても甘えん坊に。足元にスリスリしてきては「撫でて」といつもアピールしてくるそうです。そして夜には、名前を付けてくれた飼い主さんの娘さんと一緒に寝ています。布団に潜り込み、ぴったりとそばにくっついて離れません。

「家族が外から帰ってくるとお出迎えしてくれる優しい子です。ちょっと、いぬみたいなんです」

　過酷な日々を乗り越え、今は幸せいっぱいの毎日を送っているてつおくん。これからもきっと、さまざまな表情で家族を温かな気持ちにしてくれることでしょう。

（Hint-Pot編集部）