「読んだ人が持ってるストーリーと重ね合わせて自由に解釈してもらえたら」

人見知りさんに今回の漫画を描こうと思った理由や、作品の題材などについてお話を伺いました。

Q. 今回の漫画を描こうと思った理由を教えてください。
「最近、転職活動を行った影響があると思います。一緒に仕事をする際に、私や周囲のモチベーションを高めてくれる人とそうではない人がいるのは何でだろうと普段から考えていました。

恐らく『想像力』『配慮』『気遣い』といったキーワードで説明できると思っているのですが、これに気が付いてからは、人にものを頼む立場になった際には、細心の注意を払っている自分がいます。

また、これらは転職活動の場ではなかなか出にくいワードだなって思いました。でも、隣の席の人に言うのも、ツイッターで発言するのも変だと感じて。考えたことを正直に言える場ってあんまりないんだなと不思議に思っていました。そこで、僕の考えていたことを誰かに代弁してほしいなと思ったことが漫画を描くきっかけだったと思います」

Q. なかなかやる気が出ない朝、ご自身の対処法は？
「体調不良の時は可能な範囲で休むようにしています。また、体調不良じゃない場合は、天気か星占いなどのせいにすることが多いです」

Q. 漫画の題材は、ご自身の経験を基にされていますか？
「過去の体験が大きいと思います。特定の人の悪口は言わず、架空の組織を作って噛み付くようにして、嫌われないようにしています」

Q. 今回の作品を通し、伝えたいメッセージは？
「人間くさくて健気なキャラクターを描きたかったので、作品自体に特にメッセージはありません。読んだ人自身が持ってるストーリーと重ね合わせて、自由に解釈してもらえたらいいなとは思っています。

ただ、SNSの世界は“答えを早く知りたい病”であふれていると思っていて、何かのトラブルを解決した系のコンテンツとの親和性が高いと感じています。その中で、何一つ解決しないコンテンツにどういった反応が生まれるか興味がありました」

Q. 心に残った読者からの感想などがあれば教えてください。
「『自分もつらい』とか『同じ』とか、そういったコメントが多くてすごく心配になりました。その一方で、『気持ち的に楽になった』という人も多くて、本当にありがたいなと思います。というのも僕自身、何で漫画を描いてんだろうって常日頃から考えているので、改めて漫画が持っているパワーを教えてくれる素晴らしいコメントだなって思いました。

また、コメントで印象に残っているのは、ぬいぐるみがフィンランド発祥のキャラクターであることを当ててもらえたことですね」

（Hint-Pot編集部）