漫画
「適当でいい」は子どもに難しい…専門家の言葉にママ衝撃 頑張りすぎる子の心理とは
公開日: / 更新日:
うまく当てはまっていることや程度がちょうど良いこと、いい加減にやることなど、「適当」という言葉には複数の意味があります。大人が口にする「適当」は力の抜き加減を指すことも多く、「頑張りすぎなくて大丈夫」という意味合いを含む場合も。しかし専門家によると、子どもにはこのニュアンスの理解が難しいそうです。頑張りすぎる我が子を励ます意味でかけた「適当」の言葉が、実は逆に子どもを困らせていた……。臨床心理士の言葉に衝撃を受けたママ。その実体験をまとめた漫画は、子どもの気持ちを理解したい保護者に新たな気付きをもたらすことでしょう。子どもの目線で物を考えるとはどういうことなのか? 作者の花森はな(@hanamori_h)さんにお話を伺いました。
◇ ◇ ◇
「できる」と「できない」の中間がない長女に「適当」とは?
花森さんは小学校4年生から不登校になった長男くんと、「学校に行くのがしんどい」長女ちゃんを育てるママ。自身のツイッターとインスタグラム(hanamori_h)のアカウントでは、「息子が学校に行けなくなった理由」など、実体験に基づく育児漫画を発表しています。今回「Hint-Pot」が注目した作品は、長女を描いた作品でした。
長女ちゃんはかねがね、何事も頑張りすぎて疲れてしまう傾向があるそう。そこで長男くんが診察を受けている病院で相談したところ、心理検査を受けることになりました。その際に花森さんは別室で、問診を受けることに。問診を担当した臨床心理士は、今の長女ちゃんは心のバランスを崩している状態で、「『できる』と『できない』の中間がまったくない」と説明します。
その言葉に同意する花森さん。「何もかも頑張らなくても『適当でいいよ』とはいつも言うんですけど……」と、日頃の対応を話しました。そこで臨床心理士は、「『適当』ってね、実は子どもにとってすごく難しいんですよ」とズバリ切り込みます。
「単に手を抜くことだと考えていませんか?」
「違うんですか?」
「大人の求める『適当』は、大人の言うことを理解して適度に力を抜くことなんですよ」
大人の考える「適当」は疲れないよう手を抜くこと。でも、物事に対して「できるようになりたい」「でもできない」の2択しかない子どもは、どこまで力を出していいのか分からず、むしろ頑張りすぎて疲れてしまいます。また、「本当はできるようになりたいけど、できないのはどこまでなら許される?」と、大人の反応をよく見ているそうです。
長女ちゃんはそうした成長過程の途中。「環境を整えて繰り返すことで自分の『適当』を見つけられるのでは」と臨床心理士は語ります。そして「『適当』って本当に難しいんですよ。『適当でいいよ』と言うより、本人にできる範囲で具体的な指示を出してあげた方が良いですね」と助言しました。