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キャベツは使う前に洗うべき? 外側と内側で扱いに違い 芯には栄養がたっぷり
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教えてくれた人:和漢 歩実
春キャベツがおいしい時期です。相次ぐ物価上昇で家計への影響が気になる今日この頃だけに、旬だからこそ手頃な価格でおいしさを味わいたいですね。その食べやすさから、好きな野菜に挙げる人も多いキャベツ。保存のコツや洗い方、栄養価、芯を食べるメリットなどについて、栄養士の和漢歩実さんに詳しいお話を伺いました。
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アブラナ科の植物 葉は緑だが緑黄色野菜ではない
キャベツはブロッコリーや大根と同じアブラナ科の野菜です。緑色の見た目から緑黄色野菜のイメージはありますが、実は違います。厚生労働省で定めた「緑黄色野菜」の基準(可食部100グラムあたりのβカロテンの含有量600マイクログラム以上)に達していないため、「その他」の野菜なのです。
キャベツと似ているものに芽キャベツがあります。こちらはβカロテンの含有量がキャベツの14倍(キャベツ50マイクログラム、芽キャベツ710マイクログラム)あるので、緑黄色野菜です。
“芽キャベツが成長するとキャベツになる”と誤解されていることもありますが、実はキャベツの芽でも未成熟のキャベツでもありません。同じくアブラナ科ですが、キャベツの変種で、茎の周りにつく2~3センチの小さい結球キャベツです。
1玉をおいしく 長く保存したいなら芯をくり抜いて
おいしいキャベツを1玉丸ごと買った時は、まず芯の部分をくり抜くと良いでしょう。キャベツは芯の部分に栄養を送ろうとするので、残っていると葉の栄養分が失われてしまいます。丸ごとの状態で芯をくり抜くのが難しい場合は、半分にカットしてからそれぞれ芯部分を切り取りましょう。
どちらも保存の際は、芯をくり抜いた部分に水で濡らしたキッチンペーパーを詰めます。丸ごとの場合は、それを袋に入れてから芯の部分を下にして野菜室へ。切ったものの場合は、切り口の断面も濡らしたキッチンペーパーで覆い、袋に入れるかラップでぴったりと包んでから野菜室で保存します。
キャベツは成長の過程で球状になる野菜です。最初に育つのは外側の葉、次に出てくる葉はその内側という順序のため、内側の葉が農薬や土、ホコリなどに触れることはないと考えられます。しかし気になる場合は、さっと洗うと良いでしょう。
最初に育つ外側の数枚の葉には、汚れや農薬などがついていることも。芯の周りに切り込みを入れて1枚ずつはがし、流水でよく洗いましょう。気になる場合は、一番外側の葉を使わずに捨てます。