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生ゴミ堆肥化が義務に 米カリフォルニア在住の日本人女性が考える食品ロス問題解決のヒント

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

卵の殻の中で発芽したビーツ。このまま土に植えると卵の殻が自然に分解され、根も傷付かない【写真:小田島勢子】
卵の殻の中で発芽したビーツ。このまま土に植えると卵の殻が自然に分解され、根も傷付かない【写真:小田島勢子】

 米ロサンゼルスの片田舎から、発酵食品の魅力や心地よい暮らしをテーマに情報発信を続ける小田島勢子さん。世界各国の参加者に向け、オンラインコミュニティやワークショップといった活動も精力的に展開しています。そんな勢子さんが綴る連載エッセイ、今回のテーマは「フードロス問題」。今回の前編は、勢子さんが自身の活動を通じて提供している問題解決のヒントについてです。

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法律で“生ゴミの堆肥化”が義務化されたカリフォルニア州

 早いもので2022年も四半期が過ぎようとし、桜の季節が到来。今年になり暮らしの中で変わった点といえば、元日からカリフォルニア州で“生ゴミの堆肥化”が法律として義務化されたことです。

 今までは家庭や飲食店などから排出される生ゴミは、他の一般ゴミなどと一緒に埋め立て地で最終処分されていました。しかし、新たに施工された法律によって生ゴミは家庭で肥料にするか、一般ゴミとは分別し、堆肥用としてゴミ出しをすることが義務付けられたのです。

 2024年からは、違反した場合に罰金も科される予定です。個人だと2回目までは50ドルから100ドル(約6000円から約1万2000円)で、3回目以降は最大で500ドル(約6万円)。また、罰金の対象は住民に行政サービスを提供する市や群といった管轄区にも及ぶそうです。

 埋め立て地で処分する生ゴミ量の削減を目指し、2025年までに現在の75%にすることを目標として掲げているカリフォルニア州。今後、私たちは地球温暖化(生ゴミの埋め立て時に排出されるメタンガスが地球温暖化の原因の一部)や増え続けるゴミ問題の改善に、州全体で取り組みます。