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タケノコの白いブツブツは食べても大丈夫? アク抜きの仕方や部位別の食べ方も
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
今さら聞けないタケノコのアク抜き
タケノコは掘りたての新鮮な状態で食べられることもありますが、一般的には生食しません。アク抜きが必要です。春に丸ごと皮付きのタケノコを手に入れたら、すぐに下茹でしてアク抜きをしましょう。タケノコは切り取られた瞬間からアクが出始めます。このアクの成分は、結石の原因とされるシュウ酸です。
アク抜きはまず、根元の硬い部分と穂先5センチほどを斜めに切り落とし、皮付きのまま中央に縦に切り込みを半分入れます。そして鍋にタケノコとかぶるくらい水を入れ、ぬか一握りと唐辛子を入れて落としぶたをして沸騰させましょう。ぬかのカルシウムがシュウ酸に作用し、えぐみを抑え、旨味を引き出すとされています。唐辛子は、カプサイシンが臭いを取り、また殺菌効果もあるため腐敗を防ぎます。
ぬかがなければ、米のとぎ汁、または生米一つまみで代用できます。沸騰したら弱火で1時間ほどタケノコを茹で、やわらかくなったら火を止めてそのまま冷まします。
冷めたら皮をむいて、フタ付きの容器にタケノコと水を入れて冷蔵庫で保存します。水を替えながら1週間ほどで食べ切ると良いでしょう。
おいしい食べ方は? 部位ごとに使い分けも
旬の素材を生かした薄味でシンプルな料理が良いでしょう。カツオ節の旨味と合わせた「土佐煮」や新ワカメと合わせた「若竹煮」は、タケノコ本来のおいしさを楽しめます。
部位ごとに食感も違います。先端のやわらかい部分は、和え物や炊き込みごはんに。中央部は煮物や炒め物、揚げ物に。根元は繊維が多く硬いので、食べやすく切って揚げたり、炒めたりする料理に向きます。
アク抜きはひと手間ですが、この時期のタケノコは格別です。水煮とはまた違った味わいで、季節を感じたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾