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投資信託は“高い手数料”に要注意 税理士・板倉京が注目するインデックスファンドとは

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

投資信託の仕組みを理解する

2社の代表を務める税理士の板倉京さん【写真提供:板倉京】
2社の代表を務める税理士の板倉京さん【写真提供:板倉京】

 投資の原則は「長期・積立・分散」といわれています。これは、投資信託に積立投資をコツコツ行うことで実現できます。というのも、「投資信託」自体が分散投資されている商品だからです。仮に自分で「分散」投資するため、株や不動産、債券を買おうと思うと、まとまったお金が必要になります。

 一方で投資信託は、プロが「これなら運用益がでるだろう」と思う商品を選んで購入し、それをたくさんのお客様に買ってもらう仕組みです。ですから、大きなお金を投入しなくても、100円から投資を始められます。しかし、プロに運用を頼むわけですから、「タダでお願い!」というわけにはいきません。

 この手数料は「信託報酬」といって、投資信託を買う時にパンフレットなどに○%と記載されています。0.1%以内~2%以上まで手数料の幅は広いです。この手数料の一部が、販売している会社(銀行や証券会社)にも入るため(運用している間ずっと)、金融機関の人はなるべく手数料の高い商品を売りたいと考えるわけです。

 また、銀行や証券の営業マンから投資信託を買うと、多くの場合で販売手数料がかかりますが、今は「ノーロード」といって購入手数料がかからない商品もたくさんあります。その手続きについては、窓口ではなくネット証券などを利用するといいですよ。

投資初心者におすすめの「インデックスファンド」

 ただ、優秀なプロが運用していて高い利益を出す投資信託があれば、「高い手数料を度外視で購入」というのも選択肢です。こういった投資信託を「アクティブファンド」といいますが、そんな投資信託をどうやって探していいのかなんて、分かりませんよね。そこで、推奨したいのが「インデックスファンド」です。

 インデックスとは「指数」、ファンドは「投資信託」を意味します。つまり、株価指数などの指標に連動した運用を目指す投資信託を指します。「日本の代表的な上場企業225社の株価から構成されている「日経平均」や米国の代表的な上場企業500社の株価から算出される「S&P500」などの指数と連動している投資信託です。

 指数に従って運用するので、プロが自分で商品を選ぶ必要がないため、運用コストを抑えることができる。それが低い手数料の理由です。投資初心者の初めの一歩は、「インデックスファンド」による積立投資で決まりといえます。

 私がおすすめする証券会社はネット系ですが、ご自身でポイント付与や使い勝手などを比較してください。そして、お好みの証券会社に口座を開設し、スタートしてみてください。積立投資は長く時間をかけた方が期待できるもの。まだ始めていないという人は、今すぐに動くことをおすすめします。

(板倉 京)

板倉 京(いたくら・みやこ)

1966年10月19日、東京都生まれ。神奈川県内で育ち、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。保険会社勤務後に結婚。29歳で税理士資格試験の受験を決意し、32歳で合格する。36歳での長男出産を経て、38歳で独立。主な得意分野は、相続、税金、不動産、保険。テレビでは「あさイチ」「首都圏ネットワーク」(ともにNHK)、「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、ラジオでは「生島ヒロシのおはよう一直線」(TBSラジオ)などに出演して解説。主な著書は「夫に読ませたくない相続の教科書」(文春新書)、「相続はつらいよ」(光文社知恵の森文庫)、「女性が税理士になって成功する法」(アニモ出版)、「知らないと大損する! 定年前後のお金の正解」(ダイヤモンド社)など多数。