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アスパラガスのハカマはどこまで取るべき? 横向き保存で鮮度が早く落ちる理由とは
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教えてくれた人:和漢 歩実
春採りのグリーンアスパラガス(以下、アスパラガス)がおいしい季節です。食べている部分は地面から伸びた若茎の部分。アスパラガスは成長スピードが早く、収穫しないと高さ1メートルを超える涼しげで細い松葉のような姿に成長します。この松葉が葉と思われることもありますが実際は異なり、茎についている三角のヒラヒラ部分、つまり「ハカマ」が葉になるそうです。形状も面白いアスパラガスについて、その豆知識や栄養価を栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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アスパラガスが日本に伝来したのはいつ?
ユリ科の植物であるアスパラガスは、古代ギリシャやローマを中心に栽培され、その後、全域に拡大したとみられています。日本には江戸時代に伝わったといわれていますが、観賞用として葉茎を見て楽しんだそうです。
食用として栽培されるようになったきっかけは、明治時代に北海道開拓使が米国から種子を輸入したこと。アスパラガスは冷涼な気候を好むので、寒冷地が有利な野菜として北海道で急速に栽培が広まりました。
当時は缶詰加工用のホワイトアスパラガスの栽培が盛んでした。ホワイトアスパラガスは、土を寄せて光に当たらないようにする軟白栽培で作られます。一方でグリーンアスパラガスは土寄せをせずに栽培したもので、穂先まで濃い緑色になります。両者の違いは品種ではなく、栽培方法の違いにあるのです。
代表的な栄養素とは
代表的な栄養素としては、アスパラギン酸が挙げられます。これはアミノ酸の一種で疲労回復、皮膚の代謝活性などに役立つと考えられています。貧血が気になる人に向く葉酸も含まれ、毛細血管を丈夫にするルチンは穂先に多いそうです。さらに、抗酸化作用があり美肌のためのコラーゲン生成に必須のビタミンC、目や皮膚、粘膜を強くするといわれるビタミンAに変換するβカロテンも含まれています。
やわらかい食感と香りを楽しみたい場合は、ホワイトアスパラガスを選ぶと良いでしょう。また葉酸やビタミンCは水溶性なので、茹でると損失があります。栄養のメリットをいただきたい時は電子レンジでの加熱がおすすめです。