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アスパラガスのハカマはどこまで取るべき? 横向き保存で鮮度が早く落ちる理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ハカマがある理由 取った方が良い?

三角形のヒラヒラはハカマと呼ばれる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
三角形のヒラヒラはハカマと呼ばれる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ハカマは葉ですが、葉緑体がなく、光合成ができません。アスパラガスは太い茎から枝分かれしている細い茎で光合成をして栄養分を作っており、この細い茎を守るためにハカマが付いています。

 ハカマに含まれるアスパラプチンという成分には、血圧上昇を抑える効果があるといわれています。しかし、ハカマを食べるとやや苦さを感じるでしょう。必ずしも取らなくてはいけないものではなく、どこまで取るなどの決まりもありません。苦味や食感が気になる場合は、固い皮とハカマをピーラーでむくとおいしくいただけます。

新鮮なものの選び方、保存のコツ

アスパラガスの切り口は白い方が新鮮(写真はイメージ)【写真:写真AC】
アスパラガスの切り口は白い方が新鮮(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 この時期、青果店やスーパーマーケットの店頭に多く並んでいるアスパラガス。新鮮なものの見分け方をご紹介しましょう。

○色:緑色が濃くハリがあるもの
○穂先:締まっているもの
○切り口:丸く白いもの

 穂先はピンとしていて開いていないものを選びます。切り口はみずみずしいものが新鮮です。アスパラガスは鮮度の劣化が早いので、購入後はできるだけその日のうちにいただきましょう。

 保存する場合は乾燥しないようにキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に立てて収納します。横にすると穂先が起き上がろうとしてエネルギーを消費するため、鮮度が早く落ちてしまいます。すぐに食べきれない時は、茹でるなどの下処理をしてから食品用ラップで包み、冷凍庫で保存しましょう。

必ず水洗いを 茹でる際は根元から

油で炒めるとシンプルにアスパラの味が楽しめる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
油で炒めるとシンプルにアスパラの味が楽しめる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 調理をする際は、必ず水洗いしましょう。特に穂先やハカマの部分は汚れがつきやすいので、丁寧に洗い流します。根元部分や硬いところを切り落としましょう。

 茹でる際は根元から先に入れます。固い根元部分を10秒ほど茹でてから、その後に全体を入れて1分ほど茹でます。その後、水にさらさずキッチンペーパーの上などに置いて冷まします。

 アスパラガスは、油脂と相性の良いカロテンを含むため、油で炒めるとビタミンAの吸収率が高まります。バターやオリーブオイルなどで炒め、塩コショウで味付けすると素材の味も生かされ、おいしくいただけます。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾