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髪の毛サイズのお城 再現度の高さと精巧さに約15万人仰天 「信じられないサイズ」
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技術の進歩とともに進化を続けている“ものづくり”の世界。中でも3Dプリントの技術革新は、時に信じられないものを生み出します。今回ご紹介するお城の模型もその一つ。髪の毛サイズのため肉眼では確認困難な作品が大きな話題を集めています。また、この作品に込められた思いもあったようです。制作した精密部品メーカー、株式会社キャステム(広島県福山市)の商品開発部署「アイアンファクトリー」に詳しいお話を伺いました。
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築城400年を迎える福山城を盛り上げるために地元企業が制作
今回、アイアンファクトリーが制作したのは全長0.2ミリというお城の極小模型。写真に写っている左側の棒状のものは髪の毛で、比べてみるとどれだけ小さいかが分かります。今年8月に築城400年を迎える福山城(広島県福山市)を盛り上げるため、キャステムが京都先端科学大学と共同研究を進める超微細3Dプリント技術を用いて制作。3月28日に同市へ寄贈されました。
この制作に携わったのが、キャステム内の商品開発部署「アイアンファクトリー」。これまでもオリジナル商品の開発に取り組み、最近は人気漫画「キン肉マン」の登場キャラクターを模した「鋼製のロビンマスク」や人気アニメ「ポケットモンスター」のモンスターボールを模した虫カゴ、リアルすぎる著名人グッズなどの制作でも話題になりました。今回の福山城について、担当者はこう語ります。
「今年、築城400年を迎える福山城をはじめ、さらには福山市のさまざまな取り組みを地元企業の一つとして盛り上げていきたいという思いと、弊社の超微細3Dプリント技術もたくさんの方に知ってもらいたいという思いで制作しました」
この写真を「髪の毛と同等サイズのお城を築城しました」とコメントを付けてツイッター上に写真を公開したところ14.7万件もの“いいね”が集まり、リツイートも2万件を超えました。
リプライ(返信)には「これ、どうやって作るんや?」「信じられないサイズと精密さ」「素晴らしい技術」「これぞまさしく幻の城」といった驚きの声が続出。また「エイプリルフールかと思った」「嘘ならもっと考えてくださいw」など、投稿された日が4月2日だったことから、嘘だと疑う声も寄せられています。
技術革新が止まらない3Dプリントの世界 「データさえあれば1日で制作可能」
多くの人が気になったのはやはり作り方。一体どうやって作ったのでしょう。
「材料は樹脂製で表面に白金を蒸着させています。3Dデータ制作後、超微細3Dプリント技術で造形して制作しております。所要時間は、3Dデータがあれば製造は約1日で制作できます」
今回大きな反響を呼んだことで、アイアンファクトリーは「世界最小の○○を作ってプロモーションをされたい企業の方、ご依頼お待ちしています」ともアピールしています。どんなものでも制作してくれるのでしょうか?
「普段は半導体、医療、バイオなどさまざまな分野でこの技術は活用されています。皆さんの身近なものでいえばスマートフォンもその一つになります。3Dデータがあれば基本的には制作可能です。3Dデータがない場合も弊社で3Dスキャンをし、一からデータ制作も可能です」
昨年には、プロモーション目的で日清食品の大ヒット商品「カップヌードル」を「ナノ3Dプリンター」で印刷し、極小サイズの模型を制作して話題を集めました。