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漫画

同期はかけがえのない存在 “先輩”が新社会人へ向けた漫画に反響 「仲間は大事に」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「長い社会人人生なので、まずは健康第一で無理なく挑戦を」

作者の小柳さんに、今回の漫画を描いたきっかけやキャリア形成で意識したことなど、話を伺いました。

Q. 今回の漫画を描こうと思ったきっかけを教えてください。
「元々は2018年11月、漫画投稿サイト『コミチ』(旧コルクBooks)の漫画賞に合わせて描いた作品です。転職サイト『doda』との連動企画『はじめての働く』が募集テーマでした。ツイッター上で公開しようと思っていたタイミングが、ちょうど新人研修の時期だったので投稿することにしたんです。

作品はコロナ禍前の状況が描かれているので、対面での集合研修というのが今の新人研修のスタイルに即しているか気になりましたが、意外と『同じ状況です』という声も多かったです。今春はオンラインから対面研修に移行した会社も多かったのか、それほど違和感がなかったように感じました」

Q. 小柳さんのこれまでのキャリアを教えてください。
「慶應義塾大学を卒業後の2007年、日本電気株式会社に新卒採用で入社し会計システム導入やITコンサルティングに従事しました。その後、ITコンサルティングの経験を軸に会計事務所へ転職しています。今回の漫画は新卒入社した時の新人時代を描いたもので、作品を描いた2018年は社会人11年目でした。

漫画家としては高校卒業後、商業誌デビューを機に描き続けています。現在はSNSや広告漫画を中心に描きながら、アパレル運営も始めました。平日にITの仕事をする傍らで、土日を中心クリエイター活動も行っているといった感じです」

Q. 現在までのキャリア形成で意識したことを教えてください。
「ITコンサルティングは業務プロセスの理解やITスキルが求められるため、専門性を高めることを意識してキャリア形成してきました。本業とは別の漫画や洋服作りに共通しているのは、専門性が求められるということ。ジェネラリストよりスペシャリストになりたいという志向でキャリア形成していると思います」

Q. 20代で「キャリアアップのためにやっておいて良かった!」と思うことを教えてください。
「20代の頃、漫画執筆を中断して知識習得に集中していた時期があります。ERPシステムに関する資格や応用情報処理技術者、簿記など、会計やITの資格の勉強を通して仕事に関係する知識の底上げを図りました。勉強するための時間や集中力も若い時の方があったと感じていますので、その時に基礎的なことを勉強しておいて良かったと思います。今でも仕事で知識を生かすことができています」

Q. 現在のお仕事で、新卒時の経験や同期とのつながりが役立ったと感じる瞬間があれば教えてください。
「同期とは散り散りになりましたが、今でもLINEグループでつながっています。同じ業界にいると身近な会社に転職して似たようなことをやっているので、情報交換や技術の不明点を質問し合うことで交流しているんです。新人時代で同じ経験をした同期は戦友でもあり、力強い味方でもあります」

Q. 新入社員の方々にメッセージをお願いします!
「何かと気合を入れたり、環境の変化に不安になったりする時期ですが、長い社会人人生なので、まずは健康第一で無理なく挑戦していってもらいたいと思います。漫画の切り取りだけですと、順風満帆にここまで来たように思われがちですが、そんなことはありません。私自身も途中で体調を崩して休職を経験しましたし、それに合わせて働き方を見直してきました。長く働く上で『健康』が何より大事だと感じています」

Q. 心に残った読者からの感想を教えてください。
「『今まさに同じ状況です』という新入社員や、『同期の存在は大切』という私と同じ状況の先輩社会人、『中小企業で経験できなかった』という人など、立場によってとらえ方はさまざまです。ただ『新人として社会人デビューする』という点は共通するからこそ、たくさんの方に読んでいただけたのだと思っています」

(Hint-Pot編集部)