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花びらで作った“妖精のドレス” 絶妙な色遣いと繊細さに15万人感激 「天才的アイデア」
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こだわりは「繊細な濃淡を見逃さずにお花を選んで色味を揃える」
とはいえ、花びらというデリケート素材を使うだけに、デザインが頭に浮かんでも制作には気遣いや苦労が多かったそうです。
「キュウリグサがまるで小さなワスレナグサのようでかわいいので、そのかわいらしさを生かせるようなデザインにしてみました。花びらはとても繊細で破れやすいので、その点は苦労しますね。また、しおれる前に完成できるよう、とても集中して頑張りました」
その中でこだわったのは、やはり色遣い。制作者さんは細かな部分を見逃さず、コントラストを強調していきました。そこでのポイントは、花も生き物という事実。同じ株でもそれぞれに個性や移り変わりがあると語ります。
「同じ株のネモフィラでも色が濃い目に出ているお花があったり、そうでなくても同じ一輪のお花が咲き初めから終わりに近づくにつれだんだん色が薄くなっていったりと、微妙な濃淡の違いがあります。とても微妙で繊細な濃淡を見逃さずにお花を選び、色味を揃えることに関しては、少しこだわりました」
子どもの頃からの夢を実現 制作後は「自然に還す」ことを意識
日本だけでなく、海外からも称賛された制作者さん。こうした“妖精のドレス”を作ろうと思ったきっかけは何だったのでしょう。
「元々、子どもの頃から妖精や魔女などファンタジーなものが好きで、お花で妖精のドレスを作ろうとして失敗したことがありました。それからもずっと妖精のドレスが作れたらいいなと思っていて、2021年の4月にチャレンジしてみました」
制作者さんは試行錯誤の末、子どもの頃の夢を実現させました。そうして作られた作品には共通する世界観があるそうです。
「花を育てたりクモの巣に水滴を飾ったり、あるいは鳥や虫たちと戯れ、月夜に踊るような、そんな妖精たちが着ているドレスをイメージしています」
また、ドレスの素材になっている花はすべて制作者さんが庭で育てたもの。それだけに、ドレスの制作後も自然を意識した行動を心がけています。
「妖精のドレスは、心から愛でてしばらく飾り、その後しおれてしまったら土に還しています。庭の植物たちを育てるのに農薬は使っていません。庭も自然の一部なので、お花がいろいろな虫たちや微生物などの小さな生き物たちに食べられ、分解され、そしてまたその土が植物たちを育てるという循環を大切にしています」
妖精のドレス作りを通して、改めて花への感謝の気持ちが強くなった制作者さん。生活に潤いが出ていることをとても喜んでいます。
「ドレス作りをしていて、私自身も癒やされて元気をもらっています。色彩はもちろん、細やかな葉脈やほんのちょっとした輪郭までもが美しく、お花という自然の贈り物の素晴らしさとありがたさにうっとりしてしまいます」
制作者さんは今後もこうした制作活動を続けていく予定ですが、現在は個人的な販売や相談を受け付けていないそうです。また海外への販売も現時点では未定ですが、活動を広げるために「個展やWEBサイトの開設、オリジナルグッズの販売などたくさんの計画を立てています」とのこと。今後も美しい作品で魅了してくれることを期待したいですね。
(Hint-Pot編集部)