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漫画

既婚者から「俺とかどう?」 切り返しに困った時の返事を伝授する漫画に1万人共感

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

漫画のワンシーン【画像提供:かっぱ子(@kappacooooo)さん】
漫画のワンシーン【画像提供:かっぱ子(@kappacooooo)さん】

 時代に合わせて働く人間の世代が変われば、仕事とプライベートの境界線もまた変化します。「若手社員が職場の飲み会を断る」というニュースはその代表例でしょう。お酒の場は仕事の上で避けられないこともありますが、会話の内容には気をつけたいもの。ハラスメントになる場合もあります。しかし、発言者が取引先など目上だった場合、言われた側は対応に困ることも……。そんな時にうまく切り返す方法を描いた漫画が、ツイッター上で約1万件の“いいね”を集めています。作者のかっぱ子(@kappacooooo)さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

得意先とのお酒の場 困った“提案”にどう返す?

 かっぱ子さんは「220人の会社に5年居て160人辞めた話」というタイトルの“ゆるブラック企業漫画”をツイッターで連載中(月・水・金曜日の午後8時公開)。自身の経験を元にした作品の数々には、性別を問わず共感する読者が続出しています。今回話題になった漫画もその連載の一部でした。

 漫画に登場する「ひょっとこ商事」はかなりの男社会。描かれているのは、主に得意先とのお酒の席でよくあるという会話です。まずはかっぱ子さんが入社したての頃、ある得意先の男性はかっぱ子さんの容姿を褒め、「ひょっとこ商事の女性はみんな顔採用だよねー」と無邪気に言いました。

 この時点で相当まずい発言ですが、当初は「そんな……あ……りがとうございます?」と震え声で返していたかっぱ子さん。しかし、入社2、3年目になると“切り返し力”がついてきました。

「独身ー!? 俺とかどう? (既婚者)おじさんだけどぉー。好きなタイプはぁー!?」
「石油王です」

 なかなかの返しですが、漫画は「それでもちょっと困るのがこちら」と別のケースに続きます。それは「○○君とかどう?」と、その場にいる別の男性を無責任に薦めてくること。かっぱ子さんは「絶対に嫌です」や「私なんて不釣り合いです」といった返しはしたくないと考えました。そこで行き着いた返答がこちら。

「かっぱ家の家訓で(血液型が)AB型の男性とお付き合いできないんです」
「祖母の遺言でイニシャルSの方とお付き合いできず……悲しいです……」

 それを聞いた発言者は「どんな遺言やねん」と笑います。何とか一件落着したところで「家訓シリーズと遺言シリーズ、困ったらぜひ」とおすすめして漫画は終わりました。

「プライベートな会話を1ターンで終わらせるのに試行錯誤しました」

 ツイッター上で公開されたこの漫画は、約1万件の“いいね”を集めました。リプライ(返信)には「『好きなタイプはガチャピンです。何でもできるので』って言ってた」「終電間際で帰る時は、『すみません、私シンデレラなんで……』って言って店から駆け出してた」など、同じような場面を体験した人たちからの声が続々と寄せられています。

 とはいえ、なぜこんな切り返しを身につける必要があるのか? そこに切り込む声も多く寄せられています。「こういう切り返しさせる社会がそもそもおかしいんだけど、そこは置いといて、返しがうまいね」など、社会の問題とする見方には「その通り!」と感じる人も多いでしょう。

 一方でかっぱ子さん自身は、“切り返し力”をつけようという確固とした意識があったわけではないと語ります。では一体、どのようにしてその力をつけたのでしょうか?

「得意先とのお酒の席でプライベートのことを話すのが好きではないのですが、真面目に答えるとそこから会話のキャッチボールが続いてしまうのです。プライベートな会話を1ターンで終わらせるのに試行錯誤した結果、軽口には『セクハラです』などの正論ではなく、これらの軽い切り返しが一番効果的だったので、使える場では使っていました。自分を卑下せず、また無理に盛り上げようとしていたのではありません。お酒の場の雰囲気は好きな方だったので、このやり方が一番自分に向いていたのだと思います」

 そうして身につけた力ですが、それでも対応が難しい出来事はあるそうです。

「元々、八方美人で何事も気にする性格なので、相手との会話パターンを頭の中で無意識にシミュレーションしていました。そのため、何度かお会いすれば誰にでもそれなりに切り返せるようになるのですが、連載242話の出来事はさすがに言葉に詰まりました」

 242話は3社合同でイベントを開催した時の出来事を描いたもの。控室に入ると「すごく偉い人たち」が「オギャーバブバブ」と赤ちゃんの真似をしている現場に遭遇し、全身が固まってしまったという内容です。確かにこれはリアクションに困りますね……。