保護された時は妊娠後期だったミカちゃん　1週間後に無事5匹の赤ちゃんが誕生

　5匹の母ねこであるミカちゃんは保護ねこです。ジルさんは野良ねこや虐待などから保護したねこのためのシェルターをボランティアで運営しており、ミカちゃんはそうした経緯からジルさんのもとへやってきました。

　昨年のある日、ジルさんのもとに「野良ねこが産まれすぎて事故が多発している危険な場所がある」という連絡が。その現場で出会ったねこの中の1匹がミカちゃんでした。当時は警戒心が強くなかなか心を開いてくれず、ミカちゃんは逃げ回ってばかりだったそうです。

「今年の4月19日にやっとミカを保護しました。病院で検査すると猫エイズ、白血病ともに陰性で健康面での問題はなかったんです。また、妊娠後期であることも分かりました。エコー、レントゲンで赤ちゃんの背骨がはっきりと見え、心臓が動く様子も確認できたので、この子たちを何とか安全に産んでほしくてミカをシェルターに迎えました」

　こうしてジルさんのシェルターに迎えられたミカちゃんは4月26日に無事、5匹の元気な赤ちゃんを出産したのでした。

「ミカの推定年齢は2、3歳くらいだと思います。これまで何度も出産経験があるそうで安産だったようです。保護する前は警戒心がかなり強い子だったのですが、シェルターではびっくりするほど甘えん坊なんですよ。撫でてもらうのが大好きで、ずっとのどをゴロゴロ鳴らして穏やかに過ごしています」

　またジルさんによると、シェルターでねこが出産したのはミカちゃんが初めてだったそう。

「今回の出産はとても思い出深いものとなりました。子ねこたちみんなに対しても思い入れが深く、最高の名前を付けたいとずっと考えています。大きくなったら里親さんを探す予定で、その時は娘を嫁に出す親の気持ちになるのだろうと思います。ミカも優しい里親さんにつなぎたいと思っています」

　温かく見守って支えてくれるジルさんと出会い、現在は5匹の赤ちゃんねこと穏やかに暮らすミカちゃん。いずれは優しい飼い主さんのもとへとそれぞれ巣立ってしまうかもしれませんが、今のこの幸せな時間を家族みんなで楽しく過ごしてね。

（Hint-Pot編集部）