育児・家族

認知症の父が「免許返納」を頑なに拒否 アラフィフ娘が知った警察での「相談実績」の重要性

著者:和栗 恵

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写真はイメージです【写真:写真AC】
写真はイメージです【写真:写真AC】

 前編では、認知症の父の運転に心配を抱き、家族会議の結果、車を処分するまでの経緯を書かせていただきました。しかし、その結果、病状が悪化してしまった父は、免許返納を頑なに拒みました。今回は、そんな父に免許を返納させる一歩を踏み出した私たち家族の道のりをお届けします。認知症患者の免許問題で困っている方はもちろんですが、高齢者を抱え、返納が進まずヤキモキしている方も多いかもしれません。それぞれケースは違うと思いますが、離れて暮らすアラフィフ娘の筆者が感じたこと、経験を記していきたいと思います。

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本人の同意なしで「免許の返納」はできない これが現実

 車を処分したものの、ここからがまた一苦労でした。認知症が進み、より一層、車に執着しはじめた父が「新しく車を買う!」「人から借りて乗る!」と言い出したのです。

 もちろん、本人は5分もすれば言ったことを忘れてしまうので、真に受けることはないと分かっているのですが、万が一にも、レンタカーを借りてきたり、雑な取引を行う中古車店などで勝手に契約を結んでこられては、たまったものではありません。

 そのような過ちが起きないよう、早めに免許を処分することで家族の意見がまとまりました。そして、父が入浴している間に、どうにかして免許証自体を取り上げることには成功しました。

 次に、どのようにすれば、父親の免許証を本人に代わり家族が返納できるかを調べました。

 私は東京都在住なので、警視庁のwebサイトを確認したのですが、代理人が免許返納の申請を行う場合は、本人直筆の「委任状」が必要なことが記載されています。そこで改めて父に返納してほしいい旨と、私が代理人になるので委任状を書いて欲しい旨を告げると、想像していたとおり「NO」の答えが。

「俺は病気なんかじゃない! 車の運転も問題なくできる!!」
「免許の返納なんかしない! おまえら、勝手に俺をボケ老人扱いするな!」

 こうなっては、仕方ありません。警視庁のwebサイトの該当ページに記載されている番号に電話をかけ、担当してくださった方に状況を説明しました。そして、委任状がなくても、免許の返納を可能にする方法はないか、聞いてみたのです。

 すると、「”返納”ではなく、”失効”にもちこむことはできる」とのこと。そのためにも1度、「相談実績」を作ってほしい、と言われました。