漫画
忌野清志郎似の母が「愛し合ってるか~い!」 命日公開の創作漫画に約3万人が涙
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2009年に亡くなったロックシンガーの忌野清志郎さん。日本の音楽シーンに衝撃を与えた「RCサクセション」をはじめとする複数のバンドやソロ名義で、数多くの名曲を世に送り出しました。没後10年以上経った今も“キング・オブ・ロック”として愛する人は多く、そのパーソナリティは伝説にも。そんな清志郎さんの命日である5月2日、ツイッター上に「僕の母は清志郎」という4ページの短編漫画が投稿されました。2.7万“いいね”を集めた作品の作者は、清志郎さんから影響を受けたという漫画家の榎屋克優(@enokiyamanga)さん。清志郎さんによく似た女性とその息子を描いたコミカルな創作作品ですが、清志郎さんへの敬意や思いが慎ましく感じられる温かい内容です。榎屋さんに詳しいお話を伺いました。
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母子ともに痛感する「清志郎さんのすごさ」
榎屋さんの作品「僕の母は清志郎」は弁当店で働く「清志郎似の母」が主人公。母は清志郎さんのことをほとんど知らないものの、近所の人からは「キヨさん」「ボス(清志郎さんのニックネームの一つ)」と呼ばれるレベルという設定です。
近所のロックおじさんたちはそのルックスを放っておかず、町内会のお祭りで「清志郎似の母」をボーカルにしたバンドを結成。当初は清志郎さんの音楽を知らなかった母も、演奏曲を覚えるうちに「いい曲歌うじゃない、清志郎!」とその音楽にハマっていきます。
本番だった町内会のお祭りのステージでは、もちろん清志郎さんの名フレーズ「愛し合ってるか~い!」を絶叫。それを見る息子の目には、汗だくで歌う母が「本当に清志郎さんがよみがえったかのように」見えました。そうして多くの観客を前にしたステージの後は、改めて「清志郎さんのすごさ」「清志郎さんを愛する人たちの思い」を母子ともに痛感します。
そして普通の生活に戻った後も、母には「宿題やったのかベイベェ~」と清志郎さんがちょっとだけ残って、これが面倒くさいという結びで漫画は終わるのでした。
笑いどころもたっぷりでコミカルに描かれた作品ですが、全体的には多くの人の心の中にある「清志郎さんを思う気持ち」を代弁するかのような温かいストーリー。ファンだった人もそうでなかった人も、読後はほっこりとします。
清志郎さんの命日に公開されたこの漫画は大きな話題になり、2.7万件もの“いいね”を集めました。また、リプライ(返信)には「めちゃくちゃ良かったです。涙がじわりと出ました、ありがとうございます」「こうやって生き続けていく。思いは不滅」「良い話だなあ、泣けてきました」「この話大好き」など、感動の声が殺到。漫画に出てくる親子のように、多くの人がその偉大さを再実感しました。