漫画
“映画泥棒”に遭遇 盗撮目撃談を描いた漫画に5万人称賛「すごい勇気」
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コロナ禍による座席制限が解除され、国内の映画館では話題作が続々と公開されています。「毎週のように観たい作品が封切られる!」と映画ファンにとってはうれしい今日この頃ですが、目を疑うような行為をする観客も増えているようです。ある男性は楽しみにしていた作品の公開初日、隣席の不審な行動に気づきました。スマートフォンをかまえている様子からすると、まさか盗撮!? スリルに満ちた一部始終を描いた漫画が、ツイッター上で5.4万件もの“いいね”を集めています。作者の作者の福井セイ(@fukuisei)さんにお話を伺いました。
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上映中なのにスマホ? 声をかけようと決意したけれど
福井さんは漫画雑誌「週刊少年サンデー」(小学館発行)にて「かけあうつきひ」を連載中の漫画家。映画好きでもあり、先日はある洋画の公開初日に映画館へ駆けつけました。今回話題になった漫画は、その時のエピソードを描いたものです。
満席の場内でスクリーンを見つめていた福井さんでしたが、隣席の不審な動きに気づきました。隣席は2人組で、そのうち福井さんに近い方の1人がたまにスマートフォンを取り出すのです。上映中のスマホ使用はもちろんNGマナー。福井さんは映画の感想をメモしているのかと考え、マナー違反ではありますが放置を決めました。
しかしその後、2人組の1人はスマホのカメラを覗くような仕草を始めます。そこで福井さんは盗撮の可能性を考え始めました。盗撮するならスマホを固定するはずなのに……それとも部分的に盗撮? 30分ほど悶々としてから、大きく伸びをした隙にスマホの画面を覗きましたが、光っておらず暗くてよく見えません。
そうして上映は終了。かなり気になっていた福井さんは「エンドロールが終わったら勇気を出して聞いてみよう」と決意します。「間違っても『盗撮』というワードは出さない!(怖いから)」とも心に決めますが、おしゃべりを始めた隣席2人の言葉は外国語。あえなく声かけを断念した福井さんはひとまずシアターから出ました。
「ご報告ありがとうございます」とスタッフは丁寧な対応
福井さんは悩んだ末、2人組がトイレに入った姿を見てからロビーのスタッフさんに不審な行動を伝えました。するとスタッフさんは「ご報告ありがとうございます。どのシアターですか?」と丁寧に対応。トイレから出てきた2人組だと分かると数人の応援を呼び、「ちょっとお話いいですか?」と声をかけにいきます。
この時点で福井さんは勘違いの可能性を考え、伝えたことに後悔を覚えていました。しかし、15分ほどして戻ってきたスタッフさんは、2人組のスマホを確認したところ「盗撮された映像が残っておりました」と衝撃の報告。「映像はその場で削除させました。この度はご協力ありがとうございました」とスタッフさんの感謝を受けて、福井さんも恐縮しきりです。
そして最後は「皆さん……当たり前ですが盗撮なんて絶対にやめてください」という呼びかけで漫画は終わりました。
ツイッター上で公開されたこの漫画は5.4万件もの“いいね”を集めました。リプライ(返信)には「すごい勇気です」「気づいてもなかなかできないです。すごい!」「また一つ映画館の治安が良くなりました!」と賛辞の声が殺到しています。
また「アーティストのライブでもたまに見ます。2人組みたいな感じで来て、1人は見張り」「昨日の女性もそうだったのかも!」「私も一度盗撮をしている人を見たことがありますが、話しかけるのは怖くてできませんでした」と同様の体験をした人からの声も。さらに「監視カメラとかで座席を前から見て、怪しい人は摘発してほしい」「『NO MORE 映画泥棒』のCMもいろんな多言語で流すべきなんでしょうね」とさらなる防止策を求める声もありました。